2010.12/27 [Mon]
ドラマ総評:『医龍 -Team Medical Dragon-3』
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★★★★☆
朝田龍太郎が明真大学付属病院を去ってから数年――。明真はかつての野口賢雄のスキャンダルもあり、患者数は激減。優秀な医師は他の病院へ流れ、外科医のレベル低下により目にあまるばかりで訴訟も絶えないなど、いまや信用はすっかり地に落ちていた。そんな中、新学長となった鬼頭笙子が記者会見を開き、教育・臨床・研究を柱に明真の再建を目指すと宣言する。それぞれの道を歩んで散り散りになっていたチームドラゴンの面々が明真大学へと呼び寄せられるが、荒瀬だけは、1年前に起きた執刀医のミスにより患者を死なせてしまった事件以来、オペには入らなくなっていた……。「医療の国際化と外科医の存在意義」をテーマに朝田率いるチームドラゴンが最大の敵と相対する。
「医龍」第3シリーズ。
今クール、見ていたもう1本が『医龍』。日本のドラマに刑事(事件)ものと医療ものが圧倒的に多い理由はその方が人間ドラマを作りやすいからだそうです。本シリーズも医療ドラマには医療ドラマなのですが、他作品と明らかに違う点がひとつあります。それは『医龍』は朝田龍太郎の手技に見惚れるドラマであること。不可能に思えるような手術の数々を発想の転換と精緻な技量でこなしていく。そのため用語だけでは一般人にはわかり難い手術の工程をCGモデルと実況のごとし解説セリフでテンポ良く説明していくのがウリになっています。
この手法はいかにも少年マンガ的なのだけど、ドラマでやられて不思議と違和感を覚えないのは、いま何をやっているのかがきちんと呑み込めているからでしょうね。
今回のシリーズでのトピックは何といっても朝田が転落事故でチームメンバーから外れること。問題の回は先入観を利用したミスリードが劇中人物たちと視聴者、両方に叙述トリックが仕掛けられており、連続ドラマでは近年稀に見る衝撃の展開でした。
それが伊集院の一時離別に際して朝田の言っていた「誰が抜けても機能するのが本当のチームだ」を目の当たりにさせてくれました。天才・朝田龍太郎がいなくとも、その役割はチームの別の誰かが担い、支障をきたすことはない。伊集院の成長とも併せて感慨深いシーンです。
最終回の1話前ではその考えををさらに一歩進めます。ハイレベルな手術を二例同時にこなさなければならなくなり、それには人材が致命的に不足している。そこで朝田が呼び寄せるのが前作『医龍2』でチームを組んだ北洋病院の外山&野村までも登場。これでテンションが上がらないわけがない! 必要とあらば信頼できる仲間をその都度チームに組み込み、拡張させていく。これが朝田龍太郎率いる最高の医療チーム、チームドラゴン!! 燃えるぜ。
黒木先生をはじめとしてメンバーに不慮の事故や病気が起きすぎな気もしますが、まぁそこは激務による疲労の蓄積が原因ってことで。
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