2010.12/21 [Tue]
探偵小説研究会『2011 本格ミステリ・ベスト10』
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★★★★☆
海外本格ミステリ・オールベスト・ランキング発表! 作家・評論家が自信をもってお薦めする2000年から2009年までの海外ミステリ・オールベスト・ランキングをはじめ、二大インタビューは『隻眼の少女』麻耶雄嵩と『扼殺のロンド』小島正樹。映画からゲーム、コミックまで網羅したミステリファン必携書!
年末恒例のミステリのランキング本。私はもっぱら本格読みなので買うのも当然『本ミス』です。たぶん4種類あるランキング本の中で最も資料性に優れているのがこの『本ミス』だと思います。これから10年、20年経った後、その一年のミステリを取り巻く環境がきちんと紐解ける。そういう本は本当に貴重です。つくりも丈夫なので本棚映えもしますしね。
プロフィール欄にも載せているように、私はハードカバーを買わない都合からあまり新刊は読みません。それでも今年はなかなか読んだ方。10位圏内で3つも読んだよ! 私の普段付けている評価は技巧とストーリーの総合点でどちらかといえばシナリオに比重を置いているので、あまりにも物語が微妙なことになるとミステリ的には優れていても高評価にはしません(だって、物語として読むからには読んでいて楽しくなくちゃ)
その点、『本ミス』は技巧重視になるので私の評価とは少し異なるのですが、これはこれで純粋に“ミステリとしての良作”がわかるので大満足。
さてランキング。よねぽ先生やハルチカ、○○の如き○○なもの あたりはランクイン常連組で投票者たちも当たり前のように読むものの、問題なのはマイナー作家勢。わが愛する古野まほろや新人、通例レーベル外の作品は読む人の少なさからどうしてもランキング上位にはき難い事情があります。
それでも今年は新人さん、かなり頑張ったんじゃないでしょうか。まさか『叫びと祈り』が2位とは。大御所・常連が上位独占の保守的なランキングよりも、こういった番狂わせがあった方が楽しいですよね。
そういう意味では『丸太町ルヴォワール』(私的2009年ベスト2)も10位以内というのが嬉しくて仕方ない。まほろんは残念だったけれど。
今年はゼロ年代海外本格ベスト10も実施されているのですが、私は海外の小説といえば「スター・ウォーズ」と「ポアロ」くらいしか読まないので正直全然わからない。日本の作品でさえあんなに積読いてるんだもの。興味はあってもなかなかそこまで手が回らないというのが実状です。
――というか、この『本ミス』1冊の中にも読みたい本は目白押しなんですよ。問題は時間。もっと読書スピードが上がって、たくさん読めるようになれれば良いんですけどねー
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