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積読本は積読け!!

300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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相棒 Season 9 第8話「ボーダーライン」

★★★★☆

崖下から柴田という男の転落死体が発見された。刃物による傷があることから、何者かに追い詰められて転落した可能性もある。柴田は金もなく、期限切れ間近の保険証と大中小3つの鍵を持っていただけ。柴田の奇妙な胃の内容物から事件に興味を抱いた右京は、尊と捜査を開始。今年1月、寮付きの仕事が決まったからとアパートを出た柴田。死ぬまでの11カ月が空白であることがわかる。大きめの鍵がレンタルコンテナのものであることが判明。柴田はコンテナを借りていたが、中で寝泊まりしていたため、契約を解除されていた。寮付きの仕事が決まっていたはずなのになぜ? やがて小さい鍵が私書箱のものであることが判明。新たな事実が浮かびあがる。


 ミステリにおける謎解き行為が亡くなった人間の尊厳回復のためであるなら、これほどミステリといえる話もない。ひとりの男が死ぬまでに過ごしたあまりに過酷な1年間を綿密な捜査によって浮かび上がらせます。辛い。重い。苦しい。前話とは打って変わって相当ヘビーです、今回。
 今回のテーマは派遣切り、と単純にすぱっと表現できるような代物では到底ありません。雇用形態とそれを取り巻く環境のみならず、迷惑に思う心、何の気なしの言葉、社会のルール、闇の“仕事”……それらすべてが重なり合って、じわりじわりと1年掛けて彼を追い詰めたのでした。

 後半になって明かされる、奇妙な胃の内容物の意味。そして、ただそのためだけに歩き回るという行動はもはや食欲という欲求のみに突き動かされて生きている野生動物と何ら変わらない。どこに違いがあるのだろう。そのことに気が付いてしまうと、これほどまでに見ているのがキツい回もそうそうないかと思います。いつもと同じエンドロールさえも今日はひたすらに暗く聞こえてきます。サブタイトルの「ボーダーライン」が獣と人の境界線を指していると考えるのは深読みのしすぎですかね。

 唯一の不満点は柴田がああいった行動を取った理由が右京さんの推測の域を出ず、また説得力に欠ける部分があるということ。あそこで、自分で自分自身を傷付けることへの理由付け、必然性が弱かった気がします。わざわざ偽装させる意味がわからないというか、それがないと話が始まらないから、とムリヤリこじつけた感が。


来週は映画連動企画「予兆」
映画に登場するキャラも出てくるようで、これまたハードな内容になりそう。


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プロフィール

はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

当ブログはリンクフリーです。
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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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