2010.10/22 [Fri]
映画『仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー THE MOVIE 超・電王トリロジー EPISODE RED ゼロのスタートウィンクル』
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★★☆☆☆
甘味の強いコーヒーなの。
今度桜井くんが来たら、是非飲んで貰おうって思ってて。
時を越える列車デンライナーがコントロール不能に陥り、乗車していたイマジンのモモタロスが突然助けを求めて仮面ライダー電王こと野上良太郎の元へやってくる。だが、モモタロスのピンチに良太郎が力を貸している間に、姉の愛理が暴漢に襲われる。そして、それを指示しているのは愛理の恋人であり、仮面ライダーゼロノスに変身する桜井侑斗だった。だが、その事件の裏にはさまざまな愛の形が隠されていたのだ。ゼロノスが星空にかけて守り通す、愛情のエターナル・ジャーニー! (2010 日本)
3本連続公開で巷の話題を掻っ攫った『仮面ライダー電王』劇場版シリーズ第5作『超・電王トリロジー』の1本目。
レンタルビデオ店の100円デーに『シャーロック・ホームズ』『シャッターアイランド』『第9地区』『書道ガール』とお目当てのものがすべて無く、落胆しながらキッズビデオコーナーをうろついていたら発見したので借りてきました。え、怪しくはないですよ? 別に。
本作は待ちに待ったゼロノス編ということで、侑斗と愛理さんの関係にスポットを当てた映画となっています。そう、あくまでも侑斗と愛理さんをフィーチャーした恋愛モノであり、ゼロノス主演ではないところがミソ。端的に言っちゃえばゼロノスの活躍がほぼ皆無でした。なーんじゃそりゃー(Buono!風に)
まぁそれは許しましょう。イマジンへのやられ役を敢えて買って出たのも、戦闘は電王にお任せで愛理さん救出に心血を注いだのも、すべては大切な人を守りたいから。むしろ、折角の主役なのにオイシイところを全部投げ打ってまで愛理さんのために動いた侑斗の姿に、その想いの強さを見ました。メタ的ですけど。
でもこの映画、見ていてだれる。長い。テンポが悪い。言いたいこと、表現したいことを画として見せようとして悉く失敗しています。消えた桜井との思い出をいちいち映像として挿入してくるのにはうんざりです。それはもうわかってるから話を進めてよ!
夜空を見上げる侑斗の横顔を愛理さんが眺める場面も、あまりにも描写が長いのでその行為そのものに不自然さが出てくる。どこか作り物めいた違和感が伝わってくるのは明らかに問題で、ドラマにのめり込むことをいちいち阻害されます。
ラストのバイクのシーンにしても、情緒的で幻想的なものにすることに拘りすぎたため、現実性がおざなりになってしまい、なんだか冷めてしまう。
極めつけは視聴者の判断にお任せします(脚本家談)のオープンエンド。あの手の手法、大嫌いです。
あれは結局、消えた桜井を忘れることはできないけど、いま目の前にいる侑斗の側へもほんの少しだけ気持ちが動いて、これからどうなるのかはふたり次第という決着ですよね。
要するにどういった結末に落ち着くのか明言していない。ある意味でそれは“逃げ”です。ファンが見たかったのはそういう話じゃないハズ。ここまで引っ張っておいてそれかよ、と。
しかもこの作品が逃げているのはそこに留まらないから困る。すべての大元であるカイが消滅した後もイマジンが存在し続けている理由、良太郎が子供のままであることへの言及、ピギーズイマジンが日付不明のチケットを入手した経緯、二度と変身できないはずのアルタイルフォームの唐突な登場などなど……説明しなければならないことがたくさんあるのに全部放置。
良太郎の件に至っては本編中で説明するのにうってつけな場面があったのにスルーされる悪行。全部大人の事情なのはわかってます。ディケイドの仕業で結構。でもシリーズを続けるのであれば「なんとなく察して」で強引に進めるのではなく、何かしらのフォローを劇中に入れて然るべき。
私は続編容認派ですが、細かな考証もせずに物語がどんどん破綻していくだけなら『電王』はもう作るべきではないと思います。あと1本、良太郎とハナさんをオリジナルキャストに戻す話をやってすっぱり終えるか、それでも続けたければ『NEW電王』シリーズとして新しい物語を紡いでいくか。
どちらにしてもこの「ゼロノス編」レベルのシナリオでマンネリ化した笑えないコントを繰り返すだけの映画なら、『電王』を敢えて続けていく意味はないです。
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