2010.09/13 [Mon]
シトロンの雨 / 田村ゆかり
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★★★★★
田村ゆかりの8thアルバムが発売されました。
初回限定盤のこのジャケットはやばいね。このポージングは個人的にかなりツボ。
田村ゆかり大好きな私は先週中から、もうずっとヘビーローテーション(おっとAKB48?)なわけですよ。
で、各曲ともそれなりに耳に馴染んできたところでひとくち感想といきたいと思います。
ちなみにここ数年ラジオからは離れているため、新曲はどれも今回初めて聴きました。
それでは↓
1. Heavenly Stars
1曲目からロック調で良い意味で裏切ってくれます。
初めに聴いたとき、あれ?と思ったのですが、これって1stアルバム『天使は瞳の中に』の隠しトラック「A Day Of Little Girl ~姫とウサギとおしゃべりこねこ~」(セリフVer.)のアンサーソングっぽい気がします。
2. Gratitude
今回いちばんのお気に入り。
Gratitude=謝意。相手を大切に想う気持ちが“大好き”ではなくて“ありがとう”で示されているのが良いですね。好きという“押し”の感情から一歩“退いて”の感謝の気持ち。そんな二人の関係性が素敵です。
3. 神様Rescue me!!
今回のお気に入りその2。
夏うた好きには外せない南国ちっくな曲調とコミカルな詞の中に滲むちょっぴりの淋しさが涼やか。神様に訴えかけているように見えて実際は自分に言い聞かせてるんだよなぁ、これ。タイトルが畑健二郎のデビュー作っぽかったり。
4. ラブラブベイビーハッピースター
4曲目にして何とも田村ゆかり“らしい”1曲。
曲名からもわかるように電波曲です。音楽とフレーズは入ってくるのに全体の歌詞が俯瞰できない現象に陥りましたw
とりあえず、その可愛さに悶えるのが正解です。
5. You & Me
16thシングル。
m.o.v.e の motsuさんと組んだ田村ゆかりには珍しい男性とのコラボ。男女1対1だと「あの日、あなたとわたしに降り注いだやさしい雪」くらいしか思い浮かばないのですけど、他に何かありましたっけ?
せっかくなのでアルバムでは Yukari solo Ver. にして是非ともラップにチャレンジして欲しかったです。
6. Love Sick
こちらも motsu さんのフィーチャリング。
実は巷に溢れるフィーチャリング曲は歌詞がチャラかったり意味なしit だったりであまり好きではなかったのですが、これは全然アリですね! 大人ゆかりんに男声パートが掛け合い的に加わることで、田村ゆかりの音楽に新たな可能性を引き出しています。
7. Tiny Rainbow
神曲。17thシングルにも収録。
『なのは』シリーズ(特に小学生時代の)EDの雰囲気を見事に再現しつつ、あの頃にはなかったつやつや声で歌い上げてくるのだから、これが神曲でないハズがない。童話を思わせる詞と季節が巡って時を重ねる様子が想像以上にマッチしています。
8. 砂落ちる水の宮殿
「Tiny Rainbow」の表現を少し進めた感じかな。田村ゆかりのアルバムで割かし目にする非常に詩的な楽曲。なんとなく主人公が無人の世界に迷い込んでしまったような印象も受けます。この幻想的異世界感が、さらに次の曲に繋がっていくのだから侮れません。
9. 神聖炉
今回のお気に入りその3。
歌詞にある“Samsara”とは輪廻のことで、少なからずご縁もあったSound Horizon風の壮大な音楽も相俟って、かなりのスケール感。「les larmes de la lune」や「AMBER 人魚の涙」も随分ファンタジックだと思ったけれど、これはケタ違い。またもや新しいパターンでもはや田村ゆかりの底が見えませんね(ベタ褒め
10. レゾンデートルの鍵
シンプルすぎるくらいに穏やかに進みますが、その飾らない加減がむしろ良い。まるで思い出のアルバムのようなこの曲、正直NHKの『みんなのうた』で流しても良いんじゃないかと思うくらいの名曲。こういう、派手さはなくともしっかりしっとり聴かせてくれる曲があるのも田村ゆかりの魅力です。レゾンデートルは存在理由とかそんな感じの意だそうで。
11. My wish My love
17thシングル。
劇場版『なのは』のEDで使われただけあって、聴くだけで瞼の裏にあの感動が蘇ってきます。『The MOVIE 1st』は少女のなのはを変えたある出来事を述懐するカタチで語られる物語なわけで、それを考えると前曲「レゾンデートルの鍵」からの流れが鳥肌が立つくらいに美しいことに気付かされます。ほんと「レゾンデートルの鍵」、名曲。
12. おしえてA to Z
18thシングル。“いかにも田村ゆかり”2曲目。
やっぱりオーソドックスなゆかりソングも捨て難い。とはいっても最近のつやつやゆかりんなので、『木漏れ日の花冠』あたりまでの曲とは明らかに歌い方が異なり、また違った味わいがあったりするのですが。歌のバックに始終クラップが鳴っているのでとにかくノリが良いです。
13. 恋におちたペインター
軽快なスウィングが元気に跳ね回るペインターちゃん(仮)の心をそっくりそのまま映しています。なんだかんだ言っても前向きで、楽しさと期待値が抑えられないその感情がストレートに伝わってくる。2つ重ねの“Darlin'”の言い方を前後で大きく変えているあたりに拘りを感じます。
14. Goody & Happy
引き続いてスウィング系の軽やかさがまさしく Goody & Happy な曲。
「恋におちたペインター」がデート前の浮かれた日々だとしたら、こちらはデートの真っ最中。前曲と併せて二部作構成といった感じでしょうか。それにしても幸せオーラ全開で聴いてるこちらがとろけそう。
15. LOVE ME NOW!
ちゅっちゅっちゅーと思わず口ずさんでしまう最凶ちゅーどくソング。
最後の最後でとんだ爆弾が仕掛けられていました。一見(一聴?)すると電波曲なんですけど、描かれる物語は意外なほどストレートに少女漫画。かなり胸きゅんな内容になっています。
――そんなわけで、今回のアルバム相当良かったです!!
ひとつのアルバムでこれほどの振り幅を持っているアーティストも珍しいかと。
田村ゆかりを知らない人、声優の歌う音楽に偏見がある人にも全然薦められる逸品でしょう。
同時に、いま現在のつややかな歌い方の田村ゆかりの集大成といえるかもしれません。
『きっと言える』までの等身大な女の子、『summer melody』~『天使は瞳の中に』の拙さの残る可愛さ、『Love♡parade』以降のナチュラルな可愛らしさとバラエティに富んだ作風、そして今回。これからまた歌い方が変わっていくのかどうかはわかりませんが、後々聴いた際“このとき”の田村ゆかりを象徴する1枚となっていることはまず間違いないと思います。
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