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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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映画『バンテージ・ポイント』

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★★★★☆
スペイン・サマンカ、マヨール広場。国際テロ対策の首脳会議が開催される会場にて、アシュトン米大統領への狙撃事件が発生。事件の鍵を握る重要な目撃者は8人いたが、彼らが異なる地点・立場から見たものは違っていた――。現場にいたシークレット・サービスのトーマス・バーンズは、事件の裏に隠された真相をたった1人で追い始めるが……。 (2008年 アメリカ)


地上波で放送があったので視聴。
 大統領狙撃の瞬間までの20数分間を、居合わせた理由も立場もまったく異なる複数の視点人物からそれぞれ捉え、同じ時間の別視点から幾度も見ることで、その真相に肉迫していくという極めてトリッキーな手法のサスペンス映画。“大統領狙撃→爆発→巻き戻り→(別の人物から見た)大統領狙撃”の流れをループすること計6回。この方法、最近だと今年放送された『相棒』Season 8の第18話 が記憶に新しいところ。

 私が自身の信条からこの手の構造の作品が好きな旨は『相棒』の感想でも述べているとおりですが、例えばある人から見ると恋仲のように思えるふたりが、視点を変えるとまったく別の意味を持っていたり――こんなミスリードも仕掛けられており、誰の視点から事件を映すのかという順番すらも緻密に計算されて描かれます。
 まだ見ていない人は即レンタルすべき! これは相当に面白かった!!

 ただ、それほどまでに好みな作風だったから、これはちょっとと思うところもあるわけで。
 不満だったのは主に後半部分です。実はこの映画、物語を進めなければいけない都合上、全体の2/3ほど経過したあたりで“巻き戻り”方式を捨ててしまいます。あまつさえこのスタイルの作品で回想が入ってくる始末。
 そもそも大統領狙撃の直後に巻き戻しを行っているので、その時点では犯人が捕まっていない。ここが悪いポイントで、“巻き戻り”の前半とカーチェイスによるサスペンスの後半がひとつの作品として乖離してしまった印象が否めません。
 本来なら、この手の作品は巻き戻しポイントを事件解決の瞬間に設定すべきなんですよ。そうでないと、せっかく作り上げた作品の“世界観”が中途で崩れてしまう。最後の最後で巻き戻しポイントに到達しつつ、そこで巻き戻さずにキレイに終わるからこそ、すっきり感が味わえるのだと思うんだけどなぁ。


でもこれだけ言っておいて、全主要人物が各々の思惑で動いた結果、引き寄せられたかのように一堂に会するラストは結構好きだったりします(おい


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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