2010.09/08 [Wed]
映画『グリズリー』
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★★☆☆☆
やられた。俺たちはまるで奴のオモチャだ。
ジョージア州の国立公園。キャンプを楽しむ男女が巨大熊に遭遇、食い殺された! 公園保安官のケリーは人肉の味を覚えた熊が次ぎの人間を襲うと示唆、公園の閉鎖を要求するが拒否されてしまう。そして、第2、第3の犠牲者が……。 (1976年 アメリカ)
地上波で放送があったので視聴。
内容が丸まんま『ジョーズ』のパクりらしく、B級映画ファンにとっては 基本よ 基本~♪(by.モーニング娘。)な作品だそうです。へー。そうなんだー(棒読み)
この映画、何が致命的かって、グリズリーがもふもふでかわいいことなんですよ! まったく怖くない。しかも劇中設定では5メートルのグリズリーが明らかに普通サイズにしか見えないという残念さ。リアルさを追求するために本物を使って撮影したのが仇となりましたね、完全に。
さらに悪いことにグリズリーと人間を同じ画面に合成していない切り貼り映像なものだから、なんとも微妙な感じです。パニック映画としてはなんだかなぁ。
そうはいってもこのグリズリー、やっていることは動物系のパニック映画の中では相当残虐なレベルです。幼児を惨殺して足を捥ぐ。襲われて気を失った人間が意識を取り戻し、助かったと安堵した瞬間にぶち殺す――って鬼か!? いや、クマだけど。
特に後者の場面はこの映画のモンスターものとしての、唯一にして最大の見どころでしょうね。
圧倒的に否定派が多いラストですが、私はかなり良かったと思います。狙ってやっているのかは不明ですが、あのあっけなさとその後のフォローの何もなさ→EDの流れが纏う淡々とした空気は尋常じゃありません。巨大グマを倒したところで爽快感も達成感もなく、主人公にはただただ精神と肉体の疲労だけが残る。死んだ人間は誰ひとり帰ってきやしないじゃないか、と。
その物悲しさが画面の外まで伝わってくるようで、終わってみてもいつまでも救いのなさが心に残る。モンスターパニックものを見てはじめてリアリティを感じた瞬間でした。
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