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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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ドラマ総評:『仮面ライダーW』

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★★★★☆
さぁ、お前の罪を数えろ!
風の街「風都」。一見平和に見えるこの街の裏側では、奇妙な犯罪が横行していた。「ドーパント」……USBメモリのような「ガイアメモリ」を突き刺すと人間は、そう呼ばれる超人になるという。ドーパントが起こす奇怪な事件の数々に、警察も無力。陰謀に満ちたこの街で、悲しみを解放できるのはこの二人しかいない! 左翔太郎、自称ハードボイルドを標榜する「ハーフボイルド(半熟野郎)」。フィリップ、脳内に「地球の記憶」を有する謎多き魔少年。二人は変身ベルト「ダブルドライバー」にガイアメモリを差すことによって仮面ライダーダブルに変身! 二人で一人の探偵コンビが、風都を守るため数々の事件に立ち向かってゆく。


「平成仮面ライダー」シリーズ 第11作。
 平成仮面ライダー、新たなる10年の1年目を担う作品として満を持して登場した本作。
 ミステリ好きとしては探偵モノというコンセプトからして大いに期待していた作品だったのですが、実際に視聴をはじめると期待したそのまんまというほどではありませんでした。それもそのはず。この作品での「探偵」は“ハードボイルド”であって、私の好きな“本格”ではないからです。チャンドラーも読んでいないし『探偵物語』も世代ではない私にとっては若干の肩透かし。
 探偵の相棒にしてもうひとりの主人公・フィリップには「地球の本棚」と呼ばれる深層空間を覗くことによって、キーワードさえ揃えばすべての“答え”を知り得る能力も持ち併せており、榎木津礼二郎や九十九十九並みに反則気味な探偵手法を用います。だから推理面での驚きはさほどありません。
 しかし劇場版や最終回では実に巧妙に伏線が張られており、そこらへんの作劇はさすが探偵ものという感じです。やられました。

――まあ、そんな個人的嗜好は置いといて。
 「仮面ライダー」の1作としてどうなのかと訊かれれば、1年間本当に楽しませて貰いましたとしか言いようがないですね。探偵事務所に持ち込まれる毎々の事件に、秘密組織ミュージアムとそこに囚われていたフィリップの関係という縦糸の謎、二人で一人の仮面ライダーという『電王』をさらに一歩進めたバディものとしての面白さが加わる。
 ただし2話完結の性質がかなり強いため、早く続き!みたいな欲にはあまり駆られませんでしたが、そのぶん毎話安定した面白さを提供してくれました。

 また、今回は舞台を風都に限定したことにより、作中での仮面ライダーを街を守るヒーローとして意義付けたのも作品を語る上では大きいです。翔太郎たち仮面ライダーとは道は違えど、風都を愛し風都に散った霧彦さん。最初は風都を嫌っていた照井が仮面ライダーである意味を自覚し、最後の最後で若菜姫に対して吐くセリフが。この街はなんて素晴らしいのだろう、と視聴者である我々にも思わせてくれること請け合いです。
 そういった意味ではそれぞれの人間を描くのも上手かった。事件に関わった人々や探偵事務所メンバー、ひいては敵方である園咲家のドラマ。彼らの物語がそのまま『W』という作品で、その着地点が最終話までにきちんと描き切れているのもポイント高し(前作が散々だったので……)

 右半身と左半身、それぞれ性質の異なる3属性ずつを組み合わせるハーフチェンジで3×3の9フォームを状況に応じて使い分けるバトルも、いままでのライダーにおけるフォームチェンジにはないくらい自由度と応用度が高く、そういった描写においても本作はかなり秀でていたと思います。


世界観が『W』と地続きの、『仮面ライダーOOO』にも引き続き期待です。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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