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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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アニメ 刀語 第五話「賊刀・鎧」

 否定姫に右衛門左衛門、真庭鳳凰と後半組の主要人物も出揃い、いよいよ本流に乗ってきた第五話。心なしか路線変更を匂わせるような(原作の時点でですけど)変体刀の変体刀らしさも格段にアップしてきます。
 そしてこの第5話、全話中では結構好きな話でもあります。

――が。
 今回、ちょっとやっちゃった感がありました。何がやっちゃったのかというと、画だけで見ると七花がどうして校倉に勝てたがいまいち伝わり難いというか、インパクト薄なんですよね。これは第一話のときもそうだったのですが、映像主体でバトルを描いているために、どうしてもミステリとしての『刀語』の面白さをフルに伝え切れていません。
 たとえば今回の場合、七花の校倉必攻略課題は“絶対防御の鎧に身を包んだ相手にどうやってダメージを与えるか”です。そこで七花が講じる手段が“鎧通し”になるわけですが、賊刀・鎧はそれすらも無効にしてしまう。ほぼ唯一ともいえる対抗手段が玉砕されたことによって七花は勝てる自信を喪失し、敗北一歩手前の精神状態に追いやられたわけです。ここまではきちんと描けています。

 問題はその後。結局、七花は校倉を地面に叩きつけることで闘いに勝利するわけですが、映像だけ見るとまぁ普通に投げ飛ばして気絶みたいな感じですよね。それが決定打になったことは誰の目にも明らかであるし、映像としてはそこに視聴者が疑問を挿む余地は皆無なのですが、原点に戻って今回の勝利条件を思い出してみると“絶対防御の鎧に身を包んだ相手にどうやってダメージを与えるか”という課題に対する明確な答えを、視聴者側に理解させられるまでに至っていなかったと思います。

 結論からいえば、いかに防御が絶対の鎧を着込んでいようが、中身は生身。高所から叩きつけられた衝撃(+重み)を人間には防ぎ得ないということで、個人的にはこれが意外と盲点だと思うわけですよ。目からウロコ。とはいえ、先日放送のアニメのシーンからその“解答”を読み取ることはほぼ不可能に近いです。そんなふうに問題だけ提示して謎解き部分を疎かにしているのが気になるところではありました。
 そういう意味では先月の第四話はそこらへん、謎解き部分を七実がきちんと語ってくれていたので非常に気持ちが良かったです。まぁ原作含めて『刀語』をミステリとして読んでいる人間は殆どいないと思うので一般的には論じられるべき点ではないのでしょうけど……。


 その他の点に関しては総じて良かったです。とがめの浴衣姿とか七花のやきもちとか、俺の女に~のくだりとか。マッサージにあざとすぎて萎え、ちぇりおの件でもっとはっちゃけても良かったかなと感じた以外は。結局文句かって? いえいえ。基本的にアニメ版『刀語』の出来は絶賛してるので。


しかし何といっても一番良かったのはEDが田村ゆかりだったことでしょう。
西尾維新ファンであり、田村ゆかりファンでもある自分が狂喜乱舞したことは言うに及ばず。
今回はこの曲のためにあったといっても過言ではありません(過言です


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(アニメ感想) 刀語 第5話 「賊刀・鎧」

刀語 第三巻 / 千刀・ツルギ 【完全生産限定版】 [Blu-ray]クチコミを見る 薩摩の濁音港の元締めである鎧海賊団の船長・校倉必は、賊刀・鎧を使い、闘技場で連戦連勝を重ねていた。 その勝負に勝てば賊刀・鎧が手に入る決まりなのだが、 その圧倒的な戦いぶりを見た七花

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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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