2010.05/02 [Sun]
映画『ダ・ヴィンチ・コード』
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★★★★☆
彼らが護っているのは教会の力の源――聖杯だ。
パリのルーブル美術館で発見された館長ソニエールの死体。この事件で警察から協力を求められたバーバード大のラングドン教授だったが、じつは容疑者のひとりでもあった。死体の回りの不可解な暗号、レオナルド・ダ・ビンチの“ウィトル・ウィウス的人体図”を模したポーズの死体は謎に包まれていたが、ソニエールの孫で暗号解読官のソフィは彼が無実であることがわかっていた。そしてソフィーは死体に隠された暗号の謎を追って、ラングドンと美術館を飛び出す……。(2006年 アメリカ)
映画「ロバート・ラングドン」シリーズ 第1作。
原作既読。地上波で放送していたので見てみました。
原作付きの作品を映像化すると大抵が失敗だったり、とよくわからない身構えをしてしまう自分ですが、これは良い映像化じゃないでしょうか。
まずいちばん大きいのは美術を扱った小説を映像に起こしたことによって、はっきりとしたヴィジュアルイメージが伝えられるというところですよね。私を含め『ダ・ヴィンチ・コード』を読む人の皆が皆、美術作品や各関係名所に造詣が深いわけではないと思うんですよ。先日読んだ『エコール・ド・パリ殺人事件』もそうでしたけれど、小説みたいなイラストなしのものだと余計に、門外漢には“実物”がわからないわけで。そういう意味でもルーブル美術館の美しさや序盤のシーンに登場する絵画たちのホンモノを見られるというのは実は結構大きなポイントで、それだけでもこの映画版を作った意味はあると思います。
設定や筋書きだけ見ると『ナショナル・トレジャー』や『トゥーム・レイダー』のような所謂トレジャーハンターもの(一ジャンル?)と大差ない本作ですが、実際に見てみると派手なアクションシーンは殆どなく、暗号解読や歴史講義などの頭脳面が前面に押し出される展開で、意外と異色で他の歴史埋蔵ミステリー映画とは一線を画す作品となっているかもしれません。リーの家での「最後の晩餐」の解説シーンなんかも非常にわかりやすくてグッド。
薀蓄モノの小説を映画にしたにも関わらず、もたれるほどに情報量が溢れるわけでもなく、むしろ情報過多になりそうな部分を上手く削ぎ落として飽きさせない。その上でテンポも良い本作は、かなり優秀です。一部では説明不足とも言われていますが、実際のところこれ以上色々と話させると確実に退屈になると思うんですよね。これで良い。いや、これが良い。
サスペンス部分の事件もちゃっちゃと解決させて、その後墓探しをゆったりと描いていたのも印象的です。下手なアクション展開で誤魔化して終わらさせず、本題をブレさせていないところが素晴らしい。
ラスト、ラングドンがマグダラのマリアの墓に辿りつくシーンはライトアップされるルーブルの美しさと夜天の静けさとに引き立てられて、見事な余韻を残してくれます。
――と、思ったら直後の矢島美容室の映画宣伝でぶち壊し。考えてっ!!
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