2009.03/09 [Mon]
米澤穂信『秋期限定栗きんとん事件(上)』
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★★★☆☆
贈り物をするから、ちょっと待ってて。座席を贈るよ。
あの日の放課後、手紙で呼び出されて以降、ぼくの幸せな高校生活は始まった。学校中を二人で巡った文化祭。夜風がちょっと寒かったクリスマス。お正月には揃って初詣。ぼくに「小さな誤解でやきもち焼いて口げんか」みたいな日が来るとは、実際、まるで思っていなかったのだ。―それなのに、小鳩君は機会があれば彼女そっちのけで謎解きを繰り広げてしまい…
「小市民」シリーズ第3作。
いや、何が凄いかって、女子高生と老人、どちらが先にバスを降りるかという予想すらミステリに仕立ててしまったことにつきる。そんなところにまで目をつけた米澤穂信には本当に感服する。日常の謎モノは何でもありなのか!?
さてさて。小鳩君と小佐内さん、それぞれに彼女・彼氏ができる青春展開なんだけど、小鳩君も小佐内さんも、あくまでその「小市民的行為」に満足するために付き合っているといった感じで、付き合っている相手には本当の意味で好意を寄せているわけではなさそう。やはり前作でふたりが互恵関係を解消させたのは、恋愛関係という新たな関係を構築するフラグのような気がする(互いに誰かと付き合うというのはその伏線?)。
上巻は結局プロローグであって事件本編はほとんど始まっていないような。てか、1年間の出来事とか、今回の事件長くない?
とりあえず続きを早く出してください。月末まで待てん。
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