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『相棒 Season 8』を振り返ってみる

今更ですが、今期の『相棒』の総括を述べてみようと思います。
以下、全話リストとその個人的評価。


☆=シリーズ屈指の名作
◎=名エピソード
○=及第点
△=微妙な出来
×=最悪。論外。


○第1話 カナリアの娘
△第2話 さよなら、バードランド
○第3話 ミス・グリーンの秘密
○第4話 錯覚の殺人
◎第5話 背信の徒花
△第6話 フェンスの町で
○第7話 鶏と牛刀
△第8話 消えた乗客
×第9話 仮釈放
◎第10話 特命係、西へ!
×第11話 願い
○第12話 SPY
△第13話 マジック
○第14話 堕ちた偶像
○第15話 狙われた刑事
△第16話 隠されていた顔
○第17話 怪しい隣人
◎第18話 右京、風邪をひく
◎最終話 神の憂鬱


 終わってみれば☆に値する作品が皆無というのも残念ですが、それ以上に全19話中、およそ3分の1が微妙以下の出来という今回の『相棒』。はっきり言って酷いです。各話のレベル落差が激しいのも Season 8 のひとつの特徴で(そんな特徴いらないですけど)総じてみると残念なシーズンであったと言わざるを得ません。
 その原因は明白で、今回特に目立ったのが過去のストーリーの焼き直しとどこかで見たような展開。加えて、ミステリとしてのレベルも低いという最悪な有様。そうなってしまった理由でまず挙げられるのは新規脚本家の大量投入に他なりません。ほとんど今シーズンから参加の脚本家勢と、以前から長らく『相棒』を担当している脚本家とでは明らかにクオリティに差が出てきてるんですよね。脚本家に注目してドラマを見ることは今までまったくといって良いほどなかったけれど、今『相棒』は否が応にもそれがわかってしまう、というのは結構な問題でしょう。
 前シーズンの『越境捜査』で大胆にも大トリックをぶちかましてくれたハセベバクシンオーも今回は酷い出来だったし。このミス大賞に過度な期待はするなということですか。そうですか(失礼

 また神戸君のスパイという役割も縦の線として充分に活かしきれていなかった感もあります。「SPY」みたいな話でついでのように触れるだけではなく、数話に一回くらいとはいかずとも、せめて1度か2度は上層部の監視システムセンター設立への動きなんかを描写しておくべきでした。そうすれば最終話で明かされた神戸密偵の真意もそう唐突に感じることなく、一本の筋の通った物語としても見られたように思います。要するに各話各話が散り散りでばらばらに動いた結果、はじめと終わりのみ綺麗で真ん中がぐちゃぐちゃになってしまった感じですかね。
 個人的には、神戸君の報告書作成の要素をもっとフィーチャーして探偵小説でいうところの“記述者”的役割を持たせ、より本格ミステリ方向にシフトさせたり、再登場の人物をスパイらしく過去資料の情報から引用させたりしても面白かったとも思うんですけどね。

 逆に正月SPで歴史ミステリに挑戦した姿勢は大いに買います。この調子でどんどん未消化のジャンル、シチュエーションをこなしていって欲しいです。次なる『相棒』のSPでは是非、“孤島モノ”を望みます。まほろさんばりに物理トリック重視で“怪盗モノ”とかも良いかも。逮捕はされないで逃げ延びるパターンで。あとはテロとしてはサイバーテロとかその辺りでしょうか。コンピューターウイルスによって都市機能マヒとかも面白いかもしれません。
――まぁそんな妄想はともかく、来シーズンではとりあえず脚本レベルの持ち直し、これだけを切に願います。
それだけ叶えば他に文句は言いますまい。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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