2010.03/11 [Thu]
相棒 Season 8 最終話「神の憂鬱」
★★★★★
帝都物産の電子通信部設計係長の早乙女が本社ビルから転落死した。事故か自殺の可能性が高いが、遺書は見当たらない。伊丹らは監視カメラの映像から早乙女が転落した直後に急発進した白いセダンの所有者を追う。セダンの持ち主は首都警備保障の岩井という男だとわかった。早乙女など知らないという岩井に納得がいかない伊丹らだが、警察庁から首都警備保障に天下りした宇田川に圧力をかけられ手も足も出なくなってしまう。
そのころ、右京を監視しろという半年前の警視庁からの命令に疑問を感じ始めていた尊は、大河内からスピードカメラ(自動速度違反取締装置)の誤作動が急増している事実を知らされる。尊は警察庁警備局時代の部下の香と接触。自分が進めていたあるプロジェクトはどうなっているのかと尋ねるが、香は部外者には話せないと口を閉ざす。
Season 8 もついに最終回。神戸くんのスパイ問題に各話間の積み重ね足りず、若干あっさりと片付き過ぎているような気もしなくもないですが、内容の方は文句なしに面白かったです。低調気味だった今シーズンですが、ようやくシーズンの看板といえる作品が出てきたんじゃないかと思います。
たぶん今シーズンの最終話はこの話だと最初から決まっていたのではないでしょうか。というのも、Season 8 のOP映像で初めに映る一脚のイスと、例の監視システムの前の“神のイス”の構図が一緒なんですよね。こんなところにも伏線が!まさに、来たるべくして来た最終回。
(以下、ネタバレ有り)
防犯カメラによる監視社会という話はアメリカでも『LOOK』なる映画が作られたりして、結構前から話題にはなっていますが、今回はそれをさらに一歩進めて、個人の特定にまで踏み込んできました。社会全体を監視しているのではなく、個々の人間の活動を完全に掌握できるシステム。私自身、さほどプライバシーがどうのとかは拘っていませんし、知らぬが仏という考え方もありますが、今回のコレは嫌だとか恐ろしいとかいうよりも、単純に気味が悪いです。誰という人間がどこで何をしていたのかが完全に把握されるわけですからね。しかもそれをやってるのがコンピューターというのが不気味な話で、もうスカイネットとかそういう世界ですよ。
今回は話を跨いだ大局的に見た伏線も冴えてます。監視システムに組み込まれた顔認証システムは『劇場版』と映画『鑑識・米沢守の事件簿』でも登場したものです。公務員の人事に対する意義申し立て云々はSeason 6 最終話「黙示録」でしたっけ?また、当然のことながら、神戸くん絡みでの庁内エスという単語は第12話「SPY」によるものです。岩井殺しの犯人が葬式会場で使っていたペン型カメラ&USBは第13話「マジック」で別れさせ屋が使用したペン型の隠しカメラ、続く第14話「堕ちた偶像」での一見してUSBに見えないUSBメモリを踏まえています。ちょっと深読みのし過ぎかもしれませんが、ペンの伏線なんかはそういった意味ではフェアだし、応用編としては最終回に持ってくるのには最適だったようにも思います。
縦軸の物語としては、ようやく神戸密偵の目的が明かされ、こちらも一片付き。なるほど、監視システム捜査の運用者としての神戸尊、捜査官としての杉下右京。その相性と適正を見極めるための試験期間、と。まぁ結果としては両者ともにこれを断り、事件の顛末も絡んで殆ど頓挫なわけですけど。右京さんが薫ちゃん以外とでも上手く事件を解決していけるというのは「特命係が本格的に動き出したのは亀山薫が来てから」に反するような気もしますが、まぁそこは薫ちゃんのお陰で右京さんも堅物から変わって、随分と人と接することを覚え、対人耐性がついたということなんでしょうね。「ノアの方舟」でも上手くやってましたし。
さて。この事件で神戸くんが特命に留任。右京さんの「ようこそ特命係へ」で正式に特命の一員として認められ、迎えられたわけですが、私個人の意見としては神戸くんが特命を去るという決断(これはスタッフのですけど)も充分にアリだったんじゃないかと思うんですよ。当然、その場合も認められた上での“去り”なのですが。薫ちゃんの後に来た人物がそのまま後釜というのも、イマイチ変革をもたらした感じがしないんですよね。所詮は1シーズン限りのいざこざみたいな。それよりも、新しい人が来たけど何やかんやあって未だ“相棒”は決まらず、の方が新鮮味があるような気がします(そうはいっても私は改革支持派ですよ)
まあそうなるとタイトルがどうのとかまた言われるわけですが……。
そんなこんなの Season 8 全体の総括はまた後日。
まずは Season 8 、キャスト、スタッフの皆様お疲れ様でした。
次シーズンも楽しみにしています。
帝都物産の電子通信部設計係長の早乙女が本社ビルから転落死した。事故か自殺の可能性が高いが、遺書は見当たらない。伊丹らは監視カメラの映像から早乙女が転落した直後に急発進した白いセダンの所有者を追う。セダンの持ち主は首都警備保障の岩井という男だとわかった。早乙女など知らないという岩井に納得がいかない伊丹らだが、警察庁から首都警備保障に天下りした宇田川に圧力をかけられ手も足も出なくなってしまう。
そのころ、右京を監視しろという半年前の警視庁からの命令に疑問を感じ始めていた尊は、大河内からスピードカメラ(自動速度違反取締装置)の誤作動が急増している事実を知らされる。尊は警察庁警備局時代の部下の香と接触。自分が進めていたあるプロジェクトはどうなっているのかと尋ねるが、香は部外者には話せないと口を閉ざす。
Season 8 もついに最終回。神戸くんのスパイ問題に各話間の積み重ね足りず、若干あっさりと片付き過ぎているような気もしなくもないですが、内容の方は文句なしに面白かったです。低調気味だった今シーズンですが、ようやくシーズンの看板といえる作品が出てきたんじゃないかと思います。
たぶん今シーズンの最終話はこの話だと最初から決まっていたのではないでしょうか。というのも、Season 8 のOP映像で初めに映る一脚のイスと、例の監視システムの前の“神のイス”の構図が一緒なんですよね。こんなところにも伏線が!まさに、来たるべくして来た最終回。
(以下、ネタバレ有り)
防犯カメラによる監視社会という話はアメリカでも『LOOK』なる映画が作られたりして、結構前から話題にはなっていますが、今回はそれをさらに一歩進めて、個人の特定にまで踏み込んできました。社会全体を監視しているのではなく、個々の人間の活動を完全に掌握できるシステム。私自身、さほどプライバシーがどうのとかは拘っていませんし、知らぬが仏という考え方もありますが、今回のコレは嫌だとか恐ろしいとかいうよりも、単純に気味が悪いです。誰という人間がどこで何をしていたのかが完全に把握されるわけですからね。しかもそれをやってるのがコンピューターというのが不気味な話で、もうスカイネットとかそういう世界ですよ。
今回は話を跨いだ大局的に見た伏線も冴えてます。監視システムに組み込まれた顔認証システムは『劇場版』と映画『鑑識・米沢守の事件簿』でも登場したものです。公務員の人事に対する意義申し立て云々はSeason 6 最終話「黙示録」でしたっけ?また、当然のことながら、神戸くん絡みでの庁内エスという単語は第12話「SPY」によるものです。岩井殺しの犯人が葬式会場で使っていたペン型カメラ&USBは第13話「マジック」で別れさせ屋が使用したペン型の隠しカメラ、続く第14話「堕ちた偶像」での一見してUSBに見えないUSBメモリを踏まえています。ちょっと深読みのし過ぎかもしれませんが、ペンの伏線なんかはそういった意味ではフェアだし、応用編としては最終回に持ってくるのには最適だったようにも思います。
縦軸の物語としては、ようやく神戸密偵の目的が明かされ、こちらも一片付き。なるほど、監視システム捜査の運用者としての神戸尊、捜査官としての杉下右京。その相性と適正を見極めるための試験期間、と。まぁ結果としては両者ともにこれを断り、事件の顛末も絡んで殆ど頓挫なわけですけど。右京さんが薫ちゃん以外とでも上手く事件を解決していけるというのは「特命係が本格的に動き出したのは亀山薫が来てから」に反するような気もしますが、まぁそこは薫ちゃんのお陰で右京さんも堅物から変わって、随分と人と接することを覚え、対人耐性がついたということなんでしょうね。「ノアの方舟」でも上手くやってましたし。
さて。この事件で神戸くんが特命に留任。右京さんの「ようこそ特命係へ」で正式に特命の一員として認められ、迎えられたわけですが、私個人の意見としては神戸くんが特命を去るという決断(これはスタッフのですけど)も充分にアリだったんじゃないかと思うんですよ。当然、その場合も認められた上での“去り”なのですが。薫ちゃんの後に来た人物がそのまま後釜というのも、イマイチ変革をもたらした感じがしないんですよね。所詮は1シーズン限りのいざこざみたいな。それよりも、新しい人が来たけど何やかんやあって未だ“相棒”は決まらず、の方が新鮮味があるような気がします(そうはいっても私は改革支持派ですよ)
まあそうなるとタイトルがどうのとかまた言われるわけですが……。
そんなこんなの Season 8 全体の総括はまた後日。
まずは Season 8 、キャスト、スタッフの皆様お疲れ様でした。
次シーズンも楽しみにしています。
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