2010.02/27 [Sat]
暴れん坊少納言(6)/かかし朝浩 (マンガ感想)
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時代は流れA.D.1000、平安京。中宮・定子に仕える清少納言(諾子)の周囲は個性派ぞろいの女房たちと、婚約者(?)橘則光との間で大騒ぎの毎日! 藤原道長の娘・彰子が中宮の位に昇進し、それに伴い少納言VS彰子に仕える「源氏物語」作者・紫式部の対立は激化する一方…。そんな中、今度は台風娘・赤染衛門がさらなる騒動を巻き起こし!? ツンデレ少納言の恋と和歌と大暴れな日々をオリジナル視点で描く入魂作・待望の第6巻!!
たまには紹介も兼ねてマンガの感想などを。
この『暴れん坊少納言』、いま現在連載中のマンガの中ではいちばんに好きな作品です。なにぶんマイナーな上に売ってる店自体が少ないというレアもですけど、だからこその掘り出し物。
生涯のベスト5に確実に入る作品です。
あらすじだけ見てみると、いかにも最近ありがちな歴史キャラの萌え化だと思うじゃないですか。ところがそれは大間違い。ツンデレなんていうけれど、実際のところこの作品の清少納言は単なるやんちゃ娘といった感じ。まぁツンデレ要素がないかと訊かれればないこともないですが、別段あざとく描かれていないところに好感が持てます。
加えて本作の最大の魅力は、平安時代の慣習や文学へ最大限のリスペクトが感じられるところです。各章のタイトルが五・七・五だったり、作中の随所随所で短歌・和歌の引用があったりと、それこそ源氏物語なんかで描かれる古典文学の世界が目の前で繰り広げられている感じ。しかも本編内で意図的にフィクションにした部分の史実なんかもおまけマンガで解説してくれるところが尚良しです。
さて内容。相変わらず言うまでも無く面白かったです。これだけは立ち読みできないんですよね、笑っちゃうので。
今巻から『栄花物語』の著者・赤染衛門が藤壺の女房として登場。このヤンデレ毒狸が少納言と紫式部のいちばんの友人になるための策謀っぷりが見どころです。
中でもミステリブログ的にも注目したいのが赤染とムラサキの香合わせ対決。赤染の仕掛けた策略で一度は負かされた紫式部が、ひょんなことからそのトリックに気付き見事に暴いてみせる様はなかなかきちんとミステリしてます(というかコンゲーム?)。琵琶紛失事件以来、ムラサキは探偵キャラが確立された感がありますね。
そしてこの第6巻は則光が少納言に対する自分の気持ちをはっきりと自覚するという大きなターニング・ポイントでもあります。あの様子じゃあまだまだ進展は望めなさそうですが、何はともあれ一歩前進です。というかこのふたり、史実では離婚しても親交は途絶えなかったそうですが、このマンガ読んでると本当にそんな感じがします。『相棒』でいうところの右京さんとたまきさんみたいな。
宰相のエピソードも良かったです。ああ見えてやっぱり女の子だったんですね、宰相。
それはそうと、定子と彰子の方にも政治的に何やら動く気配がありそうで。そこらへんの展開は次巻までお預けみたいです。
早く出ろ、単行本!!
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