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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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ショーン・ウィリアムズ『スター・ウォーズ フォース・アンリーシュド ダース・ヴェイダーの弟子(下)』

スター・ウォーズ―フォース・アンリーシュド ダース・ヴェイダーの弟子〈下〉 (LUCAS BOOKS)スター・ウォーズ―フォース・アンリーシュド ダース・ヴェイダーの弟子〈下〉 (LUCAS BOOKS)
ショーン ウィリアムズ Sean Williams

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★★★★★
おれの名前はギャレンだ
ヴェイダーはスターキラーに新たな命令を下した。――反乱軍を組織せよ――反乱軍を利用して皇帝を倒し、銀河を支配する。それがダース・ヴェイダーの野望だった。ベイル・オーガナとレイア、モン・モスマなど元老院議員に接近し、スターキラーは着々と事を進める。だが、彼は彼自身の過去についてある疑念を抱いていたのだった!


「SW フォース・アンリーシュド」の下巻。ようやくの発売。
 寝る時間を深刻に削って最速で読み終えました。
 大方(?)の予想どおり、スターキラーことギャレン・マレックの行動により反乱同盟軍が結成されたわけで。もともとはヴェイダーの命令だった“反乱軍結成”だが、相棒のドロイド・プロクシーの危機を経て、本当に大切なものに気づき、それを守るために自らその道を選ぶ。フォースのダーク・サイドしか知らなかった男が、段々とライト・サイドを取り戻し(この言い方はおかしいかな?)、やがては銀河の行く末を変えることになる組織の誕生の発端となるとか、もう最初から鳥肌立ちまくり。
 そう考えると、旧共和国時代のジェダイは禁欲的過ぎたのがいけなかったのかな、とか考えてしまう。本作のスターキラーもそうだったように、その形が師弟愛であれ、家族愛であれ、結局本質は“誰かを守りたい”というものが行動の原動力になるわけだし(どうでも良かったら自分の意志などなく流されるだけのはず)、それをムリに抑えようとするからおかしくなる。アナキンだって、周りの理解がもっとあって、様々な抑圧がなければもっと幸福に生きられた思うんですよね。

 ちなみに下巻はガーム・ベル・イブリス、モン・モスマといった馴染みの面子の登場に加え、あのデス・スターが登場。と、いうよりデス・スターが舞台。これで燃えなくて何に燃えろと。
 加えて、プロクシーの投影するホロの中にダース・モール(名前まで言及されなかったけど)まで登場したり、オビ=ワンのホロと対峙したヴェイダーが思わずひるんだりとニヤリとさせられるネタも満載。映画のSW全作観た人にはとりあえず薦めたい一作。今年読んだ本の中では、間違いなくいまのところベストワン。


 さて。「フォース・アンリーシュド」を読み終わって、ここで考えたいのが銀河におけるアナキンの役割。クローン大戦の勃発によってパルパティーンはより強大な権力を持つようになったけれど、それはそうなって然るべきというか、状況からして避けられない事態だった。となると、銀河皇帝の誕生も帝国の発足も遅かれ早かれ訪れたはず。アナキン・スカイウォーカーがダーク・サイドに堕ちたことは確かにジェダイ・オーダーの全滅を招いた原因には違いないが、所詮は有能なジェダイがひとり寝返っただけのこと。アナキンが堕ちなくとも、オーダー66によるジェダイ抹殺は行われたし、皇帝による粛清も行われた。
 しかし逆に、アナキン・スカイウォーカーの功罪を考えたとき、意外にも“功”の部分は大きい。まず最大の功績である皇帝の殺害。さらにルーク・スカイウォーカーという反乱軍の英雄の父親であるという事実。さらに、本人の思惑はどうであれ、反乱同盟軍成立のきっかけとなったスターキラーにそもそもの指示を与えたのもアナキンだった。
 つまりその非道さと残虐さで帝国の恐怖の象徴として怖れられたダース・ヴェイダーであったが、見方を変えれば、来たるべくして来た帝国の暗黒時代が終わりを告げるために起こった出来事、そのすべてに関わっていた人物こそ、アナキン・スカイウォーカーだったのでは?
 アナキン・スカイウォーカーはやはり銀河の救世主だった。「フォース・アンリーシュド」はそれを実感させる作品でもあったと思います。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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