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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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相棒 Season 8 第16話「隠されていた顔」


★★★☆☆

大学の農学部の倉庫が大爆発し、心理学科の曽田准教授が爆死した。偶然大学を訪れていた右京と尊は現場を目の当たりにし、捜査を開始する。原因はLPガスのボンベからガスが漏れての充満。そこにタバコを吸おうと入ってきた曽田がライターに火をつけたらしい。なぜ心理学科の准教授が農学部の倉庫にいたのか?曽田の上司・鶴見教授は教授の座を曽田か、もう一人の准教授・槙子に譲るか迷っていたという。さらにガスボンベのバルブが何者かによって緩められていた可能性も出てきた。曽田と教授の座を狙い争う槙子が事故に見せかけて殺害したのか!? が、曽田のデスクから高性能のカメラが発見され、そこには意外な二人と思いがけない瞬間が写っていた。


 個人的には『相棒』史上トップクラスのエピソードだと思っている4th season の「汚れある悪戯」。それを少し彷彿とさせます。
 今回の場合は、サブリミナルによる誘導の末の殺人という、少し前に『キイナ』で見たような内容。暗示による殺人を描いた「汚れある悪戯」同様、そういった手法での殺人が本当に法で裁けるのか?ところまでが焦点となり、結果的には未必の故意であっても立件は難しいという流れに至ります。――途中までは。

(以下ネタバレ) 


 かと思ったら、実は心理学の准教授先生が真犯人であり、サブリミナルを使って心理操作していたと思い込んでいた青年を言葉巧みに――その心理を上手いこと操って、犯行に至らせるというかなり非常に非情な内容。
 まぁ実際のところ、槙子先生も初めからかなり怪しかったですし、「人間消失」のときのように催眠くらい掛けていたのかなと思っていたのですが、そこらへんは人の心の操り方をよく心得ていたようで。催眠のような飛び道具に頼らずとも見事犯行をやり切らせてみせました。相手に嵌められたと思わせずに犯行を遂行させる技術は、さすがは心理学教授の面目躍如といったところでしょうか。
 けど、靴を履き替える理由なんかは明言しとくべきですよね。理由もはっきり描かずにああしていたら、ご都合主義にもとられ兼ねません。

 それと、前述のようにどうにも見たことのある内容なのが気になります。特に関東地方では『キイナ』の再放送が少し前までやってましたからね。他局の他番組とはいえ、似たようなネタは避けてほしかったですね。というか、やはりネタ切れなんでしょうか、今シーズン。新規脚本家の大量投入、既視感のある題材、全体的な難易度の低さと、どうにも粗が目立ちます。未だに傑作と呼べるほどの作品が出てきていないのも気になります。この低迷さは Season 6 並みかもしれません。
 前シーズンの最終話の出来の良さからもわかるとおり、自分は薫ちゃん→神戸君は決して失敗だったとは思っていません。今シーズン、決してつまらなくはありません。ただ、手放しで面白いわけでもないのもまた事実。新聞の投書欄でも出来のバラつきに対する意見を結構目にします。なんとかして全体のレベルの底上げを図らないと、このままでは『相棒』やばいですよ?

と、来週のサブタイトルは「怪しい隣人」――また『ウルトラセブン』かww
どんだけスタッフ、セブン好きなんだよw


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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