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福井晴敏『ユニコーンの日(下) 機動戦士ガンダムUC(2)』

ユニコーンの日(下)  機動戦士ガンダムUC(2) (角川文庫)ユニコーンの日(下) 機動戦士ガンダムUC(2) (角川文庫)
福井 晴敏

角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-01-23
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★★★☆☆
なら、こいつを持っていけ
宇宙移民者と地球連邦政府の戦争が終結し、束の間の平穏の中にあった地球圏。世界を覆す力を秘める『ラプラスの箱』の開放を巡り、軍産複合体と反政府組織が企てた策謀が新たな戦乱を引き起こしてゆく。謎の少女オードリーを追って戦火の中を走るバナージは、幼き日に別れた父と、純白のモビルスーツ“ユニコーン”に出会う――。


「機動戦士ガンダムUC」第2作。
引き続いて『ガンダム』のことをまったく知らないで読んでいます。

 少女との偶然の出逢いにより変わってしまった日常。つい数時間前までは平和なハズだった世界はあっさりと崩れ去り、コロニーは突然の戦禍に晒される。巻き込まれてしまった少年は少女を追う中で戦う力を手に入れ、戦争へと身を投じることとなる――。
 それらに加えて初戦闘、ラストにおける強大なる敵(或いはライバル)の顔見せと、まさに連続アニメの第一話を見せられているような内容で、さすがは『真夏のオリオン』など映像作品の監修なんかも手掛けている福井晴敏。その手法、見せ方をよくわかっています。
 別段、『ガンダム』に思い入れも何もないのですが、そんなことは関係なしに物語に惹き込まれます。そして何より、読んでいてかなりテンションが上がる。バナージとユニコーンとの邂逅から譲渡、起動までの流れなんか特に。熱いです、この作品。

 というか本作を読んで初めて気付いたのですが、“ガンダム”ってモビルスーツのひとつの型を指していうんですね。そしてあの世界でも殆ど伝説みたいに語られている。ガンダム・タイプのモビルスーツが戦場に姿を見せたときの人々の驚きと動揺といったら尋常じゃありません。歴戦の勇士であるということは、同時に戦争の象徴でもあるということですからね。ガンダム・タイプの登場によって、いよいよ本当にこれが戦争で、再び逃れられない戦乱が始まったということを皆に認識させることにもなるわけです。そういう意味では皮肉ですよね、英雄の機体も。
 しかし一角獣の角が割れてV字になるなんて変形機構よく考えついたなぁ。機体を奔る赤の燐光も格好良いし。他のガンダムはどうかわかりませんが、ユニコーンのデザインってかなり良いと思うのですが、どうでしょう?

 そんな感じで物語の方は、敵方である連邦軍に救われたオードリー、シャアの再来と呼ばれる男の登場、ユニコーンを手にしたバナージ、ラプラスの行方、ビスト財団、アナハイムの出方、“ラプラスの箱”の行方――と三つ巴、四つ巴な複雑な関係性に加えて各登場人物がこれからどう動いていくのかがとにかく気になります。
 次巻は今月発売でしたっけ? 素直に楽しみです。

――と、ストーリーは充分に楽しんだのですが、別のところでひとつ苦言が。文章中に「『ずれ』」と「“彼女”」の二表現を多用し過ぎているのはいかがなものかと。強調したいのはわかるのですが、あまりに使われると不自然に思えてきます。“彼女”、“彼女”って、そんなに皆して名前を伏せて話すのはおかしいでしょ、さすがに。せめて姫君とか、本名を出したくないにしろ、何かしら言い方は変えるべき。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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