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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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福井晴敏『ユニコーンの日(上) 機動戦士ガンダムUC(1)』

ユニコーンの日(上)  機動戦士ガンダムUC(1) (角川文庫)ユニコーンの日(上) 機動戦士ガンダムUC(1) (角川文庫)
福井 晴敏

角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-01-23
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★★★☆☆
戦争よ。また大きな戦争が起きてしまう。
いまなら、まだ止められるかもしれない。

人類が、増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって一世紀。工業用スペースコロニーに住む平凡な少年バナージ・リンクスは、オードリー・バーンと名乗る謎の少女を助けたことから『ラプラスの箱』を巡る事件に巻き込まれてゆく。開放されれば地球連邦政府が転覆すると言われる『箱』の正体とは――。
『逆襲のシャア』から3年後、宇宙世紀0096を舞台に、新たなるガンダムが世界に革新の予感を告げる。


「機動戦士ガンダムUC」第1作。
 コミック扱いで発売されていた「機動戦士ガンダムUC」が映像化を機に、角川文庫とスニーカー文庫でそれぞれターゲットの異なる層に向けての文庫落ちです。

 そもそもこの2パターン文庫化自体がいやらしい話で、スニーカー版はイラストがついたものになっていますが、角川文庫版はというとイラストはおろか、『ガンダム』小説であることすら意図的に隠しているきらいがあります。たとえば裏表紙の説明文を見てみても、それっぽいことは書かれているものの、本作が『ガンダム』小説であるとははっきりと明言していませんし、表紙にも『ユニコーンの日』というタイトルだけが大きく書かれ、よく見なければわからないほどの小さな英字でセンターに“MOBILE SUIT GUNDAM UNICORN”と載せています。で、オビを外すとそこにようやく“機動戦士ガンダムUC”と書いてあります。つまりはわざとそれが見えないオビの下に当たる位置に置いてるんですよ。オビにしたって素直にアニメ化と謳っておけば良いものを、わざわざ“映像化!”で。福井晴敏の新刊、面白そうだから買ってみるか、という一般人を騙して買わせようというこの手法はフェアではないし、昨今の売れれればなんでも良い的な商法の極みみたいなもので本当に腹立たしい。アニメに関心のない読者にも手にとって貰いたかったとしても、もっと他に方法はあるだろ、と。角川書店は読者をナメてるとしか言いようがない。

 自分はというと、本作が『ガンダムUC』であることを知っていた上で購入したクチですが、実のところ『ガンダム』のアニメは1話も見たことはなくて、知っている単語といえばそれこそアムロとシャア、ザク、ニュータイプくらいなもの。それにしたってニュータイプがどういうものなのかなんてまったくわかっていません。見事に角川の術中ですね。はい。
 では何故この小説を読もうと思ったのかと問われれば、単純にストーリーが面白そうだったからに他なりません。

そんなわけで、自分にとっての初めて触れる『ガンダム』がこの『UC』であり、これから述べる感想は何の知識もないまっさらな素人の観点から見たものであるということを注記しておきます。


 おそらくこれ、「ガンダム」ファンが読んだら相当堪らない作品になっているんじゃないかと思います。それこそ「ウルトラ」ファンである自分が朱川湊人の『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』でのちょっとしたネーミングで狂喜したみたいに。これでそこまで違和感を感じなかったので『アンデレスホリゾント』も一般向けでも充分イケるな、とかそんなことを考えつつ。……部外者になって初めてわかるこの気持ち。

 それはそうと、本作を読んでまず感じたのは物語の描き方がすごく『スター・ウォーズ』っぽいということです。或いはノベライズ版『スター・トレック』『ターミネーター4 廃墟から』のような独自の設定で固められた海外SF小説の雰囲気に似ています(『SW』はあくまでも政治と宗教の物語であって、SFではないですけど)
 はじめはばらばらに存在する複数人の物語を紡いでいくうちにひとつの大きな流れに収束させる海外の小説やドラマ特有の手法もそうですし、現実には存在しないテクノロジーや世界観、それら詳細まで練り込んだ舞台設定の情報をしっかりと記述して読み手に伝え、こちらの想像を手助けするように作られている部分なんかもよく似ています。つまり何が言いたいのかというと、本作は本家『ガンダム』未見であっても充分に読み進められるだけの情報量が与えられており、シリーズ初心者であっても物語を追っていくのには何ら問題がないということです。ここらへんは著者である福井晴敏の力量と心遣いの賜物ですね。まぁ各種モビルスーツのディテールなんかは多少、想像し難い部分もあったりするのですが……

 そういった都合からか、この『ユニコーンの日(上)』は作品内の時代背景の説明、主人公の置かれている立場の確認などに多くのページが割かれており、物語自体が動き出してようやっと面白くなってくるのは全体の4分の3くらいを過ぎてから。そこまではやや退屈ではありますが、いざ動き出してしまえばそんな不満はどこかに吹っ飛んでしまうくらいに面白かったです。
 何にせよ、未だバナージがユニコーンに乗り込んですらいなく、まだまだ未知数の物語。「機動戦士ガンダムUC」シリーズという可能性の獣に、これからじっくりと付き合っていこうと思います(誰が上手いことをw

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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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