2010.01/03 [Sun]
相棒 Season 8 第10話「特命係、西へ!」
★★★★☆
京都で呉服店を経営する高村の遺体が東京で発見され、その手には謎の4桁の数字が羅列された紙の切れ端が握られていた。高村は死の直前、都内のホテルに電話をかけていたことが判明し、右京と尊がそのホテルを訪ねると、偶然にも尊の学生時代の恋人・唯子と再会する。唯子の不審な行動と誰かに守られている様子から、右京は嫌疑対象であることは間違いないと指摘。また右京は生前の高村の行動などから高村が千利休を信奉する歴史マニアであると推理。事件の真相と420年前の千利休の謎にはどのような繋がりがあるのか?刑事部長から強引に与えられた休暇を利用して右京と尊が京都へと向かう!
毎年恒例の元日SP。
今年はかねてからの予告どおり、歴史ミステリです。『相棒』で歴史ミステリをやるからには、それはもう歴史がひっくり返るような仮説と論証をこれでもかというくらいに突きつけてくるのかと思って密やかに期待していたのですが、残念ながらそんなでもありませんでした……。幻の茶器が見つかったという設定は、現在判明している事象以上の“事実”を作中に創り出しているわけであり、作り手側のさじ加減でどうにでもできる、ある意味飛び道具に近い存在です。そういったファクターを用いたストーリーは2時間ドラマっぽくもあり、高田崇史の『QED』シリーズばりの新解釈の打ちたてを望んでいた身としては多少肩透かしというか。残念でした。
そうはいっても連続モノの刑事ドラマで歴史ミステリに挑むというチャレンジ精神は大歓迎です。というか、かなり斬新な発想ですらありますよね。『相棒』に戦国時代の利休の謎を絡めるとか、そんな展開誰も予想できなかったハズです。こういう裏切りが大切ですよね。
実際のところ、否定的なのは歴史ミステリの方向性のみであって、物語自体はかなり楽しめました。元日SPの中では神作品である『汚れある悪戯』に次いで、2番目に良かったです。
本筋とは関係のないところでも、京都府警の妙にキャラの濃ゆい刑事や米沢さんの「歴史ミステリ」発言(スタッフ、わかってやってるのね)、他にも久し振りに美和子さんの名前が出てきたり、たまきさんとの二人旅を邪魔されて拗ねる右京さんなど、なかなかに見どころ満載でした。見どころといえば、京都の特徴的な街並みを疾走する右京さんと神戸くんというのも良かったです。
それでも消化不良な点を挙げるのなら、自宅金庫(?)の開錠番号と研究室の開錠番号が共に8ケタである可能性の低さと、その上でさらに同一番号である――という可能性の低さが二乗になっていることを華麗にスルーしている点でしょうか。
――にしても、唯子の勤め先の関係から、途中まで「千利休のクローンが~」みたいな話になると思い込んでいた自分はあまりにもおバカだったと言わざるを得ない。普段どんだけ突拍子もない設定のミステリ読んでんだよww
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NoTitle
他の方のご意見も拝見していたのですが、やはり、完全によいとは言えない事件のようですね^^;
歴史物、事件物、ついでにキャラクターの背景・ネタ的なもの。どれか一つでも十分なのに欲張った感じなのでしょうか。その辺も含めて再放送見てみようかと思います。