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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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映画『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』

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★★★☆☆
――半熟に帽子は似合わんと言ったよな、翔太郎?
ついに始まったライダー大戦。世界の破壊者となったディケイド=士は次々と仮面ライダーを倒していく。そしてショッカーは新たにゾル大佐や蜂女を得てスーパーショッカーとして復活。ディケイドや他のライダーを巻き込んだ運命はどう決着するのか?
一方、鳴海探偵事務所に不可解な依頼が舞い込んでいた。風都の至る所で死んだ人間が目撃されているというのだ。そして翔太郎の前にも死んだはずの師匠・鳴海壮吉が姿を現した。事件を解決するために翔太郎とフィリップは、二人が仮面ライダーWとなった夜の出来事"ビギンズナイト"へと思いを馳せる。そしてディケイドとWが自らの運命を受け入れたとき、戦いは新たな局面を迎える!!


『仮面ライダーディケイド 完結編』と『仮面ライダーダブル ビギンズナイト』に加え、さらに『MOVIE大戦2010』という共演編で〆るという新しい趣向の映画。
 これが本当に凄くて、90分のストーリーの最初の30分は『ディケイド』の“問題の”最終回から数ヵ月後の出来事を描き、戦いのクライマックスでディケイドがピンチに陥って一旦終了してしまいます。“つづく”といった感じで。
 そして、再び東映の三角マークがスクリーンに映し出され、今度は『ダブル』が始まります。これが、その前の『ディケイド』なんてまるでなかったかのようにストーリーが紡がれ、逃げるドーパントを追うところでこれまた“つづく”。
 で。『24 -TWENTY FOUR-』の如きスプリット方式で始まる『MOVIE大戦2010』は、ディケイドが最終決戦を行っているその場所に、例の逃走中のドーパントが乱入、それを追ってきたダブルも合流し、ディケイドとダブル、歴代平成ライダーが協力して共通の敵を倒す。さらにはこの後、『ディケイド』勢から『ダブル』に“餞別”が手渡され、それが『ダブル』の“死人還り”の物語に感動的な結末を与えることになります。
 死神博士の復活に『ダブル』の物語の収束――『ディケイド』と『ダブル』、それぞれの世界観を上手く使って、互いが互いの物語になくてはならない存在までに昇華させたこの作品、かなり素晴らしい出来です。

 特に『ダブル』パートの完成度は異常。“ビギンズナイト”に“死人還り”、おやっさんの死と向き合う3人の姿と姉を諦めきれない妹の物語(この妹、かなりの美人さんです)、ドーパントの正体も探偵モノらしく捻りが利いていて、よくあれだけの短い時間でここまでの物語を作り上げた、とただただ関心させられるばかりです。
 笑ったのは亜樹子の「しょぼっ!」ですね。あんだけシリアスだったのに、すっかりいつもの調子を取り戻してドーパントに対してこのセリフ。最高すぎる。

 逆に『ディケイド』は、まぁなんとか纏めたケド……結局提示されていた謎の数々が殆ど残ったままになっているわけで、かなりの消化不良。白倉プロデューサーの「辻褄が合いすぎているときはわざと破綻させる」発言も相まって、なんかもう「とりあえずキレイっぽく終わらせられたから良いかった方なんじゃない?」レベル。鳴滝の正体、キバーラの真意、オリジナル主人公たちの存在と行動意義、ユウスケのダーク化……そういう細かいことはきっと我々の知らない3ヶ月の間に全部解決したんでしょうね。うん。
 しかも酷いのは、今回の映画のストーリー単体で見てもかなり投げっぱなところが多いということ。死んだはずのタックルが存在し続けている物理的説明や鳴滝の言動の支離滅裂さ(士くんを倒したいあまり本来憎むべき相手であるショッカーにまで身を陥としたというのはわかるのですが、自分たちの造った怪物が暴れているのまでディケイドのせいにするとか理解不能の域)、何より士くん復活の経緯も謎過ぎる。これが『電王』ならば記憶を媒介に復活というのも納得できるのですけど。


そんなわけで『ダブル』に大満足で『ディケイド』に不満ということでマイナスが勝って★×3でした。
ちと残念。



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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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