2009.12/10 [Thu]
探偵小説研究会『2010 本格ミステリ・ベスト10』
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★★★☆☆
ところで、そこに『相棒』の小説版が積んであるのがさっきから気になってるんだけど。
国内・海外最強ベスト・ランキング発表!辻真先、米澤穂信の二本立てインタビューほか、ミステリ作家40人の「予定と近況」も書き下ろし!さらに映画、ゲーム、ラノベにコミック、古典復刊情報に評論関連まで網羅!
先日のエントリーでも触れましたが改めての今年の『本ミス』感想です。まあこういうランキング本の評価って要は自分との差異によるものだから匙加減ひとつでどうにでもなってしまうわけですけど……。
稀に見る不作といわれたこの2009年の本格ミステリ。確かに去年に比べると、解説を読んで「読んでみたい!」と思わせる作品は少ないですね。倉坂さんは『四神金赤館銀青館不可能殺人』を読んで明らかに地雷だとわかっているし。間違いなく読みたいのが『少女探偵帝都を駆ける』、次点で『密室殺人ゲーム2.0』『ここに死体を捨てないでください!』でしょうか。シリーズものだとどうしても敷居が高いというか、刊行順に読みたいので肝心なターゲットに至るまでに何冊かこなさなければならないという点がネックです。
あ、『波璃の家』は積読いたままになっているので年内中には読んでおきたいです。
さてさて。
まあ、こうして一年の集大成としてランキング作品が出揃ったわけですが、それでも敢えて言いたい。
なぜ古野まほろの『木剋土』『金剋木』を外したし。
ランキング圏内の作品を全然読んでない自分が言うのはアレかもしれないですが、これは理解できない。『木剋土』は構成が特殊ながら謎解きはもとより、何よりも読み物としてかなり素晴らしい作品だと思います。『金剋木』に至っては緻密なルール設定の下で繰り広げられる不可能殺人の論理は(若干アンフェアながら)かなりのものだと思うし、シリーズの中ではいちばん読みやすいようにつくられてたりする。
まほろは『鳳翔』が入ってたから良いじゃん?とかそういう問題じゃない。米澤穂信だって複数作入っているもの。『本ミス』はもっと本格然としたものが入っていて然りだと思うんですよね。なんか今年のランキングは『このミス』と大差ないような気がしなくもない。『初恋ソムリエ』を『少女たちの羅針盤』より上にもってきた人とかありえないでしょ。
そういう意味ではネット投票の方が感覚的には“っぽい”かもしれないです。
そうそう、ライトノベルミステリの章のところでマイナーの極みと思われていた『鷲々原うぐいすの論証』にきちんと触れられていたのがちょっと嬉しかったり。久住さんはラノベ本格の砦だそうで。あと何といっても極夏の口から『相棒』の名前が出たことね。それだけで満足です。
――来年は『丸太町ルヴォワール』を是非ランキング上位に!!
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