2009.03/27 [Fri]
伊藤左千夫『野菊の墓』
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★★★☆☆
民さんはそんなに野菊が好き……道理でどうやら民さんは野菊のような人だ
家事手伝いにきた二歳年上の従姉・民子と親しくなる政夫。
一方、年頃の二人の関係に気がかりな大人たち。封建的な周囲によって、政夫は寄宿舎へ、民子は……。
最近はやりのジャケ変え商法。SDPからはスターダストプロモーションの所属タレントを表紙と巻頭数ページのイメージショットに配した「文学日和」シリーズが刊行。
普段手にとってもらえないような層に文学の楽しみを、というのがコンセプトらしいのですが、まんまと引っ掛かりましたよ。ええ、本仮屋の表紙に惹かれて買っちゃいましたよ。安かったし。
まぁ文学小説なんて普段読むことはないから良いきっかけだったかな、と(完全に目論みどおり)。
おそらく、当時はわりとあったであろう悲劇の、そのほんの一例みたいな物語。
前半はがゆくて、後半せつなくて。駆け落ちとか、反抗とか、そんなことは1ミリも考えもしないで、ただ相手が好きなだけだった。……いい。
そのシンプルさに、しんしんと沁み入る小説でした。
表紙の写真が“くもり”なのはとてもイメージにあってる。本仮屋自身は“民や”というよりは“作品を読んだ人”と見る方がしっくりくるかも。
てか、ネタバレタイトルは仕方ないとして、あらすじによって、話の全容がそこそこ掴めてしまうのはダメでしょ。でも、短編集としてまとめないで、薄くても作品単体で1冊にしたのは、すきー(ポニョ風に)
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