2016.12/15 [Thu]
ジェイソン・アーロン(作)&スチュアート・インモネン(画)『スター・ウォーズ:ナー・シャッダの決斗』
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★★★★☆
見ての通り、吾輩は他のハットとは違う。
確かにスパイス密輸と賞金稼ぎの組織は運営しておるし、恐るべき権勢を振るい莫大な富を蓄えておるが…
その権力と財産は、全てこれらの骨董品を手に入れるための手段に過ぎぬのだ。
帝国軍の兵器工場を破壊したハン・ソロは、レイアと共に反乱軍の拠点候補の探索に旅立つ。一方、ダース・ベイダーとの出会いで己の未熟さを痛感したルークは、修行の手がかりを求め、亡き師、ケノービの館を目指す。凄腕の賞金稼ぎボバ・フェットの急襲に苦戦しながらも、ルークはケノービの日誌を手に入れる。その頃、帝国軍の追及を逃れたソロ達の前に銃を構えた女が現れる。女はこう言った。自分はソロの妻だと。
「スター・ウォーズ」シリーズ 第2作。
マーベルより刊行された「スター・ウォーズ」誌の第7話~第12話を収録したアメコミ邦訳。日本でも昨年末にリリースされた『スカーイウォーカーの衝撃』の続巻に当たり、同時進行中の「ベイダー」誌第1巻『ダース・ベイダー』の後のエピソードです。
前作のラストでハンの妻を名乗るサナ・ソロが衝撃の登場を果たし、カノンの「SW」はどうなるかとやきもきしたものですけれど結局は落ち着くべきところに落ち着いたと言いますか。さすがにそこまでぶっ飛んだ設定はやらかさないよね、とうことでサナのブラフで過去に偽装結婚をした仲だということが明かされました。まあこれは妥当でしょう。
とはいえ過去にハンに分け前を持ち逃げされたと述べるサナも心底彼を恨んでいるというよりは愛憎入り交じった複雑な心境にあるようで、トラブルの最中でもレイアと言い合いを絶やさず恋の鞘当てを繰り広げ、終いにはその矛先が当のハンに向いているのが笑えます。レイア同様、じゃじゃ馬気質なお転婆娘は「SW」のスピンオフでは定番ですね。
そうはいいつつ、レイアに正体を告白してからは随分としおらしくなってしまうサナは紛れもなく乙女でした。
そんなハンたちとは別行動のルークはというと、前巻ラストで手に入れたベンの日記を片手に在りし日のオビ=ワンが陰ながら自らを見守っていてくれたことを知ります。オーウェン叔父さんの警戒心から過度な接触は持てないものの、一度ルークの窮地を救った過去があるのはシチュエーションは違えどレジェンズの『ルーク・スカイウォーカー伝』を想起させました。
しかしながらそれがジェダイの修行の役に立つかといえばそんなこともなく。さらなるヒントを求めたルークはジェダイ聖堂のあったコルサントへ渡るため、無法者の溜まり場であるナー・シャッダを目指します。ここでルークは謎のライトセーバー使いに打ち負かされナー・シャッダの顔役でマグナガードを配下にするジェダイマニアのグラッカス・ザ・ハットに捕えられてしまうのですが、このグラックスのカッコ良いことよ。ジャバと違い、ムキムキの筋肉ダルマかつ知性と風格を漂わせる猛者です。
こうしてグラッカスにより闘技場で見世物として戦うことを強要されたルークは、ジェダイの遺産とライトセーバーの腕を鍛えられ、結果的にジェダイへの道をより理解していくことになるのでした。
ハンやレイアも合流したナー・シャッダの闘技場での大乱闘においてはグラックスの収集品からハン、レイア、チューイーがそれぞれライトセーバーをゲットして戦うとんでもシーンがあり、「ベイダー」誌の極悪ドロイドコンビやクルルサンタンといい、安直、幼稚と言われ賛否両論起ころうがファンの見せたいものをドンドン実現させてしまう貪欲さのがカノン「SW」の恐ろしいところです。
ちなみに本作では映画本編より賞金稼ぎのデンガーも参戦していて、大ケガしたおっさん(失礼)のイメージを覆す大アクションを決めています。『アフターマス』の幕間やゲーム『バトルフロント』からの熱いデンガー推しはまだまだ継続中のようで、デンガーとナイン・ナンはカノンになって急に出番が増えましたね。
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