2009.12/07 [Mon]
ジェームズ・ルシーノ『スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン(下)』
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★★★★☆
もめ事に巻きこまれるなよ、船長
クローン大戦末期、パルパティーンに抵抗するグループが隠した“共和国の名誉を回復する宝”とは何なのか?鍵を握る“ミレニアム・ファルコン”のパイロットだったジャダックは、62年の昏睡から目覚め、記憶の断片をかき集めて宝を追う。昏睡状態のジャダックに莫大な医療費を払い続けていたコルサントの弁護士オクシックとアシスタントのクイアの目的とは?一方、ハン・ソロとレイアも銀河中を駆けめぐり、愛機“ミレニアム・ファルコン”の知られざる過去を徐々に埋めていった。三者が一堂に会すとき、“ファルコン”の秘密と軌跡、その全貌が明らかになる……。
遠目で見ると『スタートレック ヴォイジャー』な表紙の『ミレニアム・ファルコン』下巻。うん、これは面白かった。良かったです。
クローン大戦にエピソード3、フォース・アンリーシュド、ハン・ソロ三部作、タトゥイーン・ゴースト、NJO、さらにはレガシーまで。様々な作品を彷彿させるエッセンスを加えつつ紡がれるファルコンの遍歴を辿る旅もいよいよ佳境。ソロ夫妻とは別ルートで“宝”を追っていたジャダックとポステともいよいよ邂逅し、物語は核心へと向かいます。
上巻の“引き”であったセフの叛乱はお次シリーズの導入部であって、今回のシリーズでは完全におまけ。ちゃちゃっと片付けてしまったその潔さに逆に関心してしまいました。
ジャダックとハンがファルコンでこんなことをした、あんなところを飛んだ、と語り合う自慢話のし合いと意気投合の具合、そして別れのセリフが、理屈ではない、同じ船を操ったパイロット同士にだけ通じる不思議な“絆”を上手く出せていたと思います。その様子に呆れ返るレイアがまたなんともおかしい。
惜しむらくはチューイー亡き後、ハンの相棒を務めたドローマの話が出なかったことくらい。
さて。今回のSWは完全な冒険小説なわけですが、共和国の“宝”についてはまぁだいたいそんなものだと思ってました。なんせ目的が名誉の回復ですからね。宝探しの目的地が既に荒廃していて、宝が残っているのかわからないという展開はありがちなパターンですが、それがユージャン・ヴォングによる惑星改造によるもの、というのが面白いです。まさに銀河の歴史に呑まれていく感じで。
ジャダックとポステの結末についても良いところに落ち着いたな、と。まったく、『フォース・アンリーシュド』のジュノやスターキラーもそうですけど、SW小説のオリジナル・キャラクターってなんでこんなに魅力的なんでしょう?誰ひとり命を落としてほしくない。
この魅力あるオリジナルのキャラクターたちの歩む道々とその結末こそが、SWスピンオフ小説の醍醐味といえると思います。
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