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北山猛邦『ダンガンロンパ霧切(4)』

ダンガンロンパ霧切 4 (星海社FICTIONS)ダンガンロンパ霧切 4 (星海社FICTIONS)
北山 猛邦 小松崎 類

講談社 2015-12-26
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★★★☆☆
彼らにとって『霧切』とは? 彼らにとって探偵とは? まるで呪いみたいだ。トリプルゼロクラス探偵にしてパラレルシンキング&マルチタスクの天才、龍造寺月下が突きつける驚愕の『黒の挑戦(デュエル・ノワール)』――難攻不落の「密室十二宮」は残り六つ!


「ダンガンロンパ霧切」第4作。
 アニメ化もされたゲーム『ダンガンロンパ』のヒロインにして超高校級の探偵、霧切響子の中学時代を綴るスピンオフ小説の第4弾です。前巻に続いて探偵図書館の最高クラスに属するも犯罪被害者救済員会に与し、『黒の挑戦』を率先して仕掛ける龍造寺月下らと霧切ちゃん&結お姉さまコンビとの対決が描かれ、恐らくは密室十二宮編の中巻に位置付けられる作品だと思われます。
 巻頭から、前作ラストで明らかとなった霧切ちゃんのおじいさまにまつわる衝撃の事実が謎解かれ、過去3冊に渡って敷かれた伏線を回収していくのはナンバリングの付いた完全連続シリーズであるラノベレーベルならではの構成で、単巻完結が基本のミステリ小説ではなかなか珍しく実にチャレンジングです。一方でゲームのノベライズというミステリ業界ほどネタバレに気を遣わない層がメインの読者ということもあって、3巻発売直後よりネット上の方々で原作との齟齬が指摘・議論されており、作者のミステリ的狙いが主たるターゲットに対して必ずしも120%――狙いどおりの効果を上げていたとは言えないのも異なるジャンルを跨いで活躍することの難しさかもしれません。

 密室十二宮も残り半分となり、今作では3巻の武家屋敷の密室で登場した探偵たちが頼もしい助っ人として再集結。リコヌルを含めた6人で事件が再分配され、それぞれの現場へと向かいます。その中で今回クローズアップされるのがサルバドール・宿木の担当する枯尾花学園事件、霧切ちゃんの双生児能力開発研究所の事件の発生から解決まで、そして結お姉さまが挑む棺桶密室ことリブラ女子学院事件の問題編です。
 黒魔術研究会の会員が魔法陣さながらに組まれた蝋燭の円の中央で、これまた蝋燭で腹部を刺され絶命する枯尾花学園殺人事件は本書の中心格ともいえる内容です。被害者のパーソナリティを象徴する小道具に彩られ、珍奇でインパクト抜群なシチュエーションの端から端まで、ひとつの無駄なくすべてをトリックに奉仕させてしまう腕前には感服しました。
 双生児能力研究所事件もミステリの王道である双子を用いた密室殺人ですが、こちらは最大コストのわりに些か拍子抜け。意図したところは理解できるものの、実質2つしか事件が起きていない状態でそう主張されても物足りなさの方が勝ります。これが1冊に12の密室を詰め込んだ大長編のうちのバリエーションの1本であれば受ける印象もまたも変わったのでしょうけれど……。
 前段の霧切祖父の件もそうですが、全体から受ける“とりあえず書けたところまでで出しました”感が無用に足を引っ張る要因となっているのは勿体なく思います。

 とはいえ今回信頼に足る新たな仲間が増えたことで本編『ダンガンロンパ』の霧切ちゃんの火傷の件が必ずしも結お姉さまのせいではない可能性が生まれたのは救いでしょう。1年待ってこのボリュームは勘弁なので、続きもなるべく早めにお願いしたいところです。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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