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グレッグ・ルッカ『スター・ウォーズ ジャーニー・トゥ・フォースの覚醒 おれたちの船って最高だぜ!ハン・ソロとチューバッカの冒険』

STAR WARS ジャーニー・トゥ・フォースの覚醒 おれたちの船って最高だぜ! ハン・ソロとチューバッカの冒険 (講談社KK文庫)STAR WARS ジャーニー・トゥ・フォースの覚醒 おれたちの船って最高だぜ! ハン・ソロとチューバッカの冒険 (講談社KK文庫)
グレッグ・ルーカ フィル・ノト 西 浩二 駒田 文子

講談社 2015-12-08
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★★★☆☆
時はさかのぼり、ヤヴィンの戦いのあと、帝国軍は反乱軍の特別偵察隊を捕らえた。リーダーのイーマットだけが別の惑星に逃げのびたが、帝国の追っ手はじきにやってくる。レイア姫の懇願を受け、しぶしぶ相棒のチューバッカとイーマットを迎えに出発したハン・ソロだが、彼の行く先には、賞金かせぎの一団が待ちぶせていた……。


 『フォースの覚醒』公開直前、「ジャーニー・トゥ・フォースの覚醒」シリーズ特集の第2弾。
 原書のタイトルが『Smuggler's Run』なのに対して、邦訳版はまさかの『おれたちの船って最高だぜ!』!!
 いやまあ、正直そのノリは理解できなくないけども、いくら児童向けとはいえさすがに色々はっちゃけすぎでしょう。今後われわれ日本のSWファンが本作を話題にする度“「おれたちの船って最高だぜ!」が~”となるかと思うと、なかなか凄いことをやらかしてくれちゃった気もします。
 ちなみに著者のグレッグ・ルッカ(本書ではグレッグ・ルーカ表記)は講談社文庫のボディーガードを主役にしたサスペンス小説『守護者』などを手掛けていて、そこそこ日本でも知られているだろう作家による作品であることも意外でした。

  副題からもわかるように本作は旧三部作時代のハンとチューイーによる知られざる冒険が語られており、より具体的には同じく「ジャーニー・トゥ・フォースの覚醒」シリーズの『ジェダイの剣術を磨け!』、そして『ジェダイの継承者』よりも前の本当に『EP4』直後の物語です。
 ヤヴィンの戦いで一度は反乱軍側についたハンが自らの立場を未だ決めかねている時期、という設定は旧レジェンズ群のザーン小説『忠誠』の解説でも触れられていましたが、本作でもまた何やかんやとレイアに任務を押し付けられる中、救出対象であり反乱軍の精鋭偵察部隊シュライクスのリーダーであるイーマット中尉の人なりを目の当たりにすることで自らを見つめ直し、再スタートの決意を固めるハンの心境が、短くも克明に描かれています。
 同時発売の『反乱軍の危機を救え!』によるとこのイーマット中尉は後にレイア将軍率いるレジスタンスの中心となる人物でもあるようで、このあたりが『EP7』に大きく関わってくる要素でしょうか。ストームトルーパーの中にクローンがいたことも気になります。

 帝国保安局のアレシア・ベック提督も敵役ながら損得勘定に左右されない理想を抱き、一種の高潔さすら持ち合わせた姿が非常に魅力的です。彼女も『新たなる夜明け』のヴィディアン伯爵と同じく身体の失われた機能をサイバネティック処置で補っており、『反乱者たち』のシーボといい、新カノンの帝国はどことなくサイボーグ技術推しですね。
 また、高い地位に就いた女性が多く登場するのもカノンSWの特色で、新作公開に向けた諸々のマーケティング展開や『フォースの覚醒』が女性主体のストーリーである点を鑑みるに女性層の意識的な取り込み、現実のジェンダー問題を反映しているようでもあって、それがルーカスフィルムの社長となったキャスリン・ケネディの方針なのか、ディズニーの意向なのかは不明ながら、SFよりもファンタジー寄りである「SW」の世界観にそうした“意識”を持ち込んでくる姿勢には好悪が分かれそうです。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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