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映画『フレッシュプリキュア!おもちゃの国は秘密がいっぱい!?』

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前川淳

ポニーキャニオン 2010-03-16
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★★★★☆
ラブ、美希、祈里、せつなの4人がパジャマパーティーで盛り上がっていると、突然、街中からおもちゃが消える怪現象が発生する。宿敵ラビリンスの仕業かと思われたが、ラブが子供のころに遊んでいたぬいぐるみ、ウサピョンが現われて、この怪現象は、世界征服を企むトイマジンの陰謀だと告げる。ラブたちプリキュアは子供たちの元におもちゃを取り戻すため、トイマジンの住むおもちゃの国へ向かうことを決意する。(2009年 日本)


『フレッシュプリキュア!』の劇場版。
人に誘われたとはいえ、よもや映画館に『プリキュア』を観に行く日が来ようとは……
友人曰く『魔法少女リリカルなのは』に行くよりも『プリキュア』の方がレベルが高いそうで。まあ確かに女児向けアニメだし、まわりが子供と親御さんばかりだったらどうしようという懸念もあったわけですが、公開からかなり経っている上に平日初回(というか1日に1回しかやってない)ということで、子供連れが3組程度と大人がちらほら。杞憂に終わりました。

本作――というか最近の『プリキュア』映画の最大の特徴が、劇場で観客(子供限定)がミニライトを振ってプリキュアを応援しよう!という趣向のいわゆる観客参加型の作品であるということ。
 これが実に粋な手法で、下手に台本上のセリフをキャラクターに言わせるよりも全然効果的で、だからこそ心動かされるのだと思います。

 例えば、この作品ではかつて子供たちに捨てられたおもちゃたちが暮らす「おもちゃの国」が登場します。トイマジンとはすなわち、子供に捨てられたおもちゃの恨みから生まれた怪物なんです。自分たちは子供たちを友達だと思っていたのに、月日が経つにつれて子供たちの心は離れていき、いつしか捨てられてしまったそんな存在。誰しも経験してきたことと思います。うぅ
 かくいうキュアピーチも、昔大切にしていた友達のウサぴょんをいつの間にか忘れ去って押入れに眠らせていたことに激しく心揺さぶられます。

 そこはまぁ美希やウサぴょんの説得で持ち直すわけですが、たとえウサぴょんが許しても他のおもちゃたちは違う。子供たちの全部が全部、そういうことをするわけではないと言われても、自分たちが捨てられたことは疑いようのない事実。何より、おもちゃの国の存在自体がそのことを裏付けています。そんな周知の事実を前にして、キュアピーチごときの説得に耳を貸すと?
 そこで登場するのが映画を観に来た子供たちの手の中にあるミニライト。果たしてこれからも子供たちはおもちゃをぞんざいに扱い続けるのか?劇場を訪れた子供たちに実際に問いかけて、彼らひとりひとりが一生懸命考えて、答えを出すのです。そうして本当におもちゃを大切にしていけるという結論に至れば、ライトの灯を点す。
 目の前の――スクリーンの前で焚かれた子供たちの揺るぎなく偽りない想いを受けて、トイマジンを構成するおもちゃたちは、もう一度だけ信じてみよう、と思うわけです。
 だからこの作品は、子供たちが映画館で、大勢の同年代の仲間と見てこそ感動する、あの年齢だからこそ素直に心に響く映画なんです。なんせ自分たちの決断が直接結末に響いてますからね。映画であるからこそできた作品でしょう。

 そんなわけでわれわれ大きなお友達からしてみれば、推察や考察こそできますが、実際に子供たちが受けた感動を得ることはほとんど不可能だと言わざるを得ません。むしろテンプレちっくな内容も相まって、若干残念な感じに見えてしまうかもしれません。自分もそうでした。
 しかし、それでも良いと思います。『プリキュア』という番組が真の対象層である子供の心に響く作品をつくった、まさしく子供のための映画。それこそ、この作品の正統な評価だと思います。
 

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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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