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ウルトラマンX 第1話『星空の声』


 「ウルトラシリーズ」最新作は怪獣の力を鎧として纏うウルトラマン、ウルトラマンXの活躍を描く全22話の2クール作品。『ウルトラマン列伝』内では一昨年の『ギンガ』、昨年の『ギンガS』に続く長編ドラマです。

 Xの能力その他については次回に譲るとして、まずは第1話を観た感想をば。
 『ギンガ』から世界観を刷新し、スパークドールズという要素のみを共通させた本作ではSDを古代からのオーパーツとして扱っていて、十数年前のウルトラフレアによりそれらが元の姿を取り戻し暴れているというのが『X』の世界観。その状況を説明するために初っ端からベムラー、ペスター、ペギラ、バニラにアボラス、マグラーが各国で猛威を奮う映像が流れるツカミからしてアガります。ペスターやアボラス&バニラなんて『パワード』以来の復活ですからね。きぐるみの使い回しを余儀なくされている中、こういった珍しどころが登場するのは新鮮かつ嬉しいです。

 防衛チームはXioはSDを独自に研究し、そのデータをサイバー怪獣として現実世界に構築させようとしている。ウルトラマンは実体を破壊され、データとしてのみ存在する。専用のデバイスを用いることでSDから怪獣の感情をリードできる。飛び去ったウルトラマンを衛星で追おうとする、といった諸々の設定もいちいち凝っていてツボに嵌まります。若者たちのひと夏の冒険から始まった伝奇路線の『ギンガ』に対し、サイバー感を希求した『X』はハードSFな作風となっているのも対照的で面白い。
 設定の詰めに関しては『ギンガ』(というか『ギンガS』)がかなり甘々だっただけに、反省を活かしてしっかり次に繋げているのが窺えます。制作発表時に多すぎるように思えた隊員数も、ツーマンセルで見せることで過不足なく視聴者に認識させてくれました。

 ゴジラを思わせる王道の二足歩行怪獣であるデマーガに蹂躙される街の様子も、田口特撮らしく細かなミニチュアと大胆な爆発で存分に魅せてくれ、多少セットの狭さを感じるも超アオリ構造での進撃は大迫力で映像面の迫力も増し増しでした。
 口から火を噴くだけでなく、体表から火山のように噴石を飛ばすあたりなんかは熔鉄怪獣らしさが実に出ており、その不思議な生態だけでもいかにも怪獣!といったふうです。個人的には昆虫のような、金属的に尾を引く鳴き声も良かったですね。
 一方のXはゼロからの流れを汲んでのよく喋り、変身者と対等な関係にあるパートナー感の強いウルトラマンです。「ウルトラ」でバディものというのはあまり見られなかっただけにこれまた新鮮で、21世紀の新たなウルトラマン像といえるでしょう。戦士としてのキャリアを覗かせつつ、戦闘中もフランクな口調で大地に接するところが楽しいです。
 巨大化した大地=Xの目線で怪獣や街並みが映るのも変身者の様子を謎空間(?)で描写する『ギンガ』からの延長戦にある表現ですね。必殺技のエフェクトやポーズも恰好良い! 足捌きでアスファルトがまくれる職人魂なんか感服です。

 とはいえ、専用機の復活から戦闘後の「おーい」まで、「ウルトラマン」におけるお約束が盛りに盛り込まれ、円谷もここまで復活したかと思う反面、無印『ギンガ』ほどの真新しさを受けなかったのも確かですが、それはまあ次回以降、『X』の世界観がすべて明かされてからになるのでしょう。『ウルトラマンX』第1話、面白かったです。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

当ブログはリンクフリーです。
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