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高田崇史『神の時空 -貴船の沢鬼-』

神の時空 ―貴船の沢鬼― (講談社ノベルス)神の時空 ―貴船の沢鬼― (講談社ノベルス)
高田 崇史

講談社 2014-12-04
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★★★☆☆
大和朝廷のやってきおることは、ずっとそのパターンじゃよ
京都で起こる奇怪な連続殺人事件。目撃証言によれば、それぞれの現場から走り去った犯人は般若や鬼だったという。事件の背後に浮かび上がる、帰らぬ夫を待ち焦がれ川に身を投げた橋姫の伝説――。同じころ、霊力の強い水を手に入れるため、貴船に向かっていた辻曲姉妹たちは新たな殺人事件に行く手を阻まれる。さらに、清浄なはずの貴船の流れが穢れていることに気づく……。


「神の時空」第3作。
 来月の新刊発売に備えて読了。最近は発売を待ちわびるよりも続刊を読むために切羽詰って前の巻に手を出すことが多いなぁ――と、それはともかく。日本全国の怒れる怨霊たちを鎮魂して回る伝奇ミステリシリーズの第3弾です。過去編であった前作から時系列も戻って、本巻では第1作『鎌倉の地龍』直後に発生した事件が描かれます。
 今作のテーマは貴船神社と橋姫伝説。鬼や怨霊といった存在は朝廷の不都合から虐げられた被害者であり、神社の御利益は祀られた者の叶えらえなかった想い、遂げられずに終わった無念が込められているといったこれまでにも「QED」等で再三語られてきた考えを下敷きに貴船と橋姫については勿論、それに連なる形で鞍馬や天照、八咫烏の“真実”までもが紐解かれます。

 誰もが聞いたことのある丑の刻参り発祥の理由なんて言われてみれば尤もで、以前より高田作品に触れて考え方のベースが出来上がっていればいるほどにその納得度も高くなるでしょう。反対に、作中にて示される「天照」についての解釈は納得できないものもあり、騙りや言い換えが頻繁にされる神代の物語において、それだけをストレートな意味に受け取るのは些かダブルスタンダードと申しますか、ご都合主義的な側面も否めませんでした。
 或いは書かれている内容を丸っきり鵜呑みにはせず、そういった疑問を呈せるようになってきたのは鍛えられている証拠なのかな。

 殺人現場で般若のような顔をした女が目撃される事件パートでは高田ミステリらしく、ファンタジーに片足を突っ込んだような現実から少し浮き上がった真相へのひっくり返しが行われますが、本シリーズは世界観が世界観だけに何が起こっても不思議でなくあまり効果的に見えないのが惜しいところ。「毒草師」や「QED」はあくまでも地に足着いた現実の延長線上にあるからこそ、常人の認識から外れた特異な状況が驚きを生んでいたので。
 なお本作は『QED 六歌仙の暗号』などとも一部リンクしているようです。

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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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