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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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愛川晶『神楽坂謎ばなし』

神楽坂謎ばなし (文春文庫)神楽坂謎ばなし (文春文庫)
愛川 晶

文藝春秋 2015-01-05
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★★★☆☆
だったら、こうしよう。もし席亭代理を務めてくれたら、本の誤植の件は一切不問にするぜ。
あのまんま発売して結構。大歓迎! どうでえ、これなら

武上希美子は中堅老舗出版社の編集者、三十一歳。元気な祖母と二人暮し。手堅く教科書を出版している社が三代目の独断で人気落語家の本を出すことに。妊娠や病気で同僚が戦線離脱していくなか、この本を担当した希美子は制作の最終段階で大失敗。彼氏の浮気も判明し、どん底の彼女に思いがけぬ転機が……。


「神楽坂謎ばなし」第1作。
 ひょんなきっかけで神楽坂にある寄席の席亭代理となった主人公が、自身の過去にまつわる秘密と《倶楽部》での出来事に右往左往する落語ミステリ。愛川晶による文庫書き下ろしの新シリーズです。
 文庫本で全2章270ページの作品ではありますが、いわゆる日常の謎的なホワイダニットが俎上に載るは終盤も終盤になってからで、物語の大半は希美子の奮闘劇に割かれます。そのため、がっつりとした謎解きのある連作短編集を期待するとかなりの肩すかしを食らうかもしれません。

 近頃、隆盛しつつある落語ミステリのジャンルに触れるのはこれが初めてなのでその塩梅はイマイチわからないのですけれど、門外漢であるが故に落語家同士、関係者の間では暗黙の了解として通る事柄が謎となり、それが物語にも寄与して下町の人情味溢れる温かな読後感を生んでいるのは、特定分野を扱った専門ミステリとしては上々なのではないでしょうか。
 長編のわりに謎が小粒で比重も軽いといったウィークポイントもあるにはあれど、舞台の整った次巻からはよりミステリ色を出してくるようなので、あくまでも1冊丸々使った連続シリーズの導入編と捉えておくのが吉でしょう。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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