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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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映画『新アリゲーター 新種襲来』

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★★☆☆☆
野生のアリゲーターが多く生息するルイジアナ州の湿地帯。その近くに住む一家は、密かに化学物質を川に廃棄していた……。そしてある日、ワニを捕獲しようとした男が、とんでもないモンスターに襲われる!! それは巨大化し棘のあるしっぽを持った、新種のアリゲーターだった! 男は無残にもアリゲーターに丸飲みされてしまい、居合わせた警察官が銃で応戦を試みるが……。 (2013年 アメリカ)


春のモンスター・パニック祭、第4弾!
 2ヶ月ほど前に地上波放送されたものを録画視聴。ワニ×ゾンビ×ロミジュリなモンスター・パニックです。
 いや、これはやばいでしょ。ジャケット写真からはまともな(?)ワニ映画な香りをぷんぷん匂わせていますが、中身は相当にぶっ飛んでいます。ここまでの珍作はそうそうないというレベルです。

 舞台はルイジアナの川辺にあるとある町。そこでは互いに忌み嫌い合うふたつの一族が常日頃から対立しており、その跡取りである青年デイサンと、町を出て都会の学校へと通っていたエイブリーは親世代の仲の悪さとは裏腹に、密かに想い合う恋人同士の関係にありました。そんな中、川では首筋が赤い見たこともないワニが見つかるもなんとか仕留められ、その夜酒場では捕獲したワニの肉が振る舞われます。
 いかにも『ロミオとジュリエット』なチープ設定ですが、仲の悪いふたつの血族の骨肉の争いを軸にしたストーリーは他のモンスター・パニック映画ではあまり見たことのないシチュエーションで、腐れ縁にも喧嘩友達にも思える親父たちの関係性も魅力的で存外悪くありません。最初はヒール役かと思ったデイサン父も実は心根は優しかったりして、途中でエイブリーと擬似親子のようになっていくところも良かったです。

 それ以上に注目なのは、やはり登場するワニの特殊性でしょう。B級以下の便乗タイトルはとりあえず“新”だの“新種”だの付けておけば良い的な風潮がありますが、今作のワニは作中でも新種であることが推しに推されています。
 その能力がまた怖ろしく、尻尾で人をぶっ刺すわ、背中のトゲを飛ばすわ、およそ一介のワニとはいえない超生物っぷりを発揮するばかりか、何と噛んだ人間をワニにしてしまう同化能力まで備えているから驚愕です。
 しかもワニに噛まれた人間たちは自我を保っているからこれまた驚きで、ワニとなっても敵対する一族への憎しみは消えることなく、みんなで酒場に集まる始末。おまえらはグレムリンか。
 さらには人間が変身したワニには金歯があったり前足の爪にマニキュアが塗られていたりするおバカっぷり。もはや真面目にツッコめる域をゆうに超えています。
 ワニが進化した原因となるのが密造酒を旨くするための添加物の垂れ流しとの尤もらしい説明も、よくよく考えてみれば人間様に飲ませる酒にいったい何を入れてんだ、って話ですよ。まったく危険極まりない。

 いや、まあ久々に破壊力満点な作品でした。これだけやっといて、オチは案外ハートフルなハッピエンド(?)風なんですよね。普通、あの流れならホラーに持っていくだろうに。その「ちょっと良い話でしょ~」とでも言いたげなドヤ顔が透けて見えるのがまた小憎らしいというか何というか。最後の最後まで脱力させられました。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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