2015.04/27 [Mon]
映画『蛾人間モスマン』
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★★★☆☆
普段は穏やかな街ポイント・プレザント。キャサリンや仲間は湖に遊びに来ていたが、いたずらが行き過ぎて仲間のひとりに付いてきた弟が溺死してしまう。彼らはそれを事故に見せかけようと……。それから10年。記者になったキャサリンは久しぶりに故郷の街に帰ってくる。しかし再会した友人たちが次々に不可解な死を遂げるのだった。それは街に古くから語り継がれる伝説の怪物、モスマンの仕業であった――! (2010年 アメリカ)
春のモンスター・パニック祭、第2弾!
かつて友人の弟を溺れさせ、その事実を隠蔽した若者たちが再び故郷の町に集まり、モスマンによって復讐の標的にされていくモンスター・パニックです。 “LIONSGATEが放つ、UMAシリーズ”はちょっと変わり種のUMAをフィーチャーしてくれのが嬉しいですねぇ。
本作におけるモスマンは過去に罪を犯し今なお罰を受けずにいる人間にその血をもって償わせる存在として描かれ、鏡やガラスといった反射するものから『仮面ライダー龍騎』のミラーモンスターが如く襲い掛かります。それだけ聞くと随分とトンデモな設定にも思えますが、元来モスマンは未確認生物の中でもどちらかといえば不吉な予兆や呪いのような存在といった側面の方が強く、生物というよりか妖怪や現象に近しい概念的なものなのでこれはむしろ良い判断。実際に発生したいわゆる“モスマン事件”――ポイント・プレザントのシルバーブリッジ崩落事故を下敷きとしているところにも、制作陣の題材への理解度、真摯な姿勢を感じさせるといってしまっては褒めすぎでしょうか。怪物にただ名前だけ借りてなあなあに作ったUMA映画が少なくない中、モスマンがモスマンである意義をちゃんと描いてくれているのはUMAファン的にはポイント高いです。
ストーリーやオチにも捻りがあって、さすがにダイイングメッセージの描写は綺麗すぎて「んな、バカな」といった感じではありますけれど、殺害現場の凄惨さや恐怖を煽る演出も及第点。クライマックスの群衆シーンもフェスティバル会場でのパニック感がよく出ており、予算も設定も紛れもなくC級、D級レベルなのにそれ以上の、B級映画とタメを張れる程度には満足できる作品に仕上がっています。
溺死させてしまった弟を事故に見せ掛けるため各人が1回ずつ死んだ少年の頭に石を振り下ろす行為が罪を均等に背負う暗喩になっていたり、何気に細かい部分に意味合いを持たせた撮り方がされているんですよね。まあ、それが必ずしも良い結果を生んでいるかというかとそうでもなく、偽装工作なのに7回も殴ったら不自然だろとか、警察もよくそれでスルーしたなとか、残念ながら突っ込みどころにもなってしまっているわけですが。
この内容ならここまで安っぽく明らかに地雷狙いな人間を釣ったパッケージにしなくとも、それなりに勝負できた気がするんだけどなぁ。勿体ない(一部の数奇者の勘違い
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