2009.11/22 [Sun]
映画『ふたりはプリキュア MaxHeart2 雪空のともだち』
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★★★☆☆
世界がどうとか、伝説がどうとか……今はそんなの関係ない。
私たちはひなたを守りたい、ただそれだけよ!!
伝説の戦士プリキュアとしてドツクゾーンと戦う美墨なぎさと雪城ほのか、そしてシャイニールミナスこと九条ひかり。冬休みになぎさたちと共にスキー場へやって来たひかりが拾ったのは不思議なたまご。卵から生まれた仔鳥を“ひなた”と名付け、一時的に面倒を見ることにするひかり。一方、なぎさとほのかは些細なことから喧嘩をしてしまう。ひなたを狙って現れた敵を辛くも撃退したものの、互いにもやもやした気持ちを抱えたままで息も合わずにいた。その夜、ひなたを救ってくれたお礼に、となぎさたち3人は老師に雲の園に招待されるが、ドツクゾーンに肝心のひなたが攫われてしまい……。 (2005年 日本)
劇場版『ふたりはプリキュア MaxHeart』第2作。
テーマは“ホンモノの友達”、コンセプトは特別編らしく“ブラックVSホワイト”。
『プリキュア』の映画を見たのは『プリキュアオールスターズDX』に続いて2作目ですが、相変わらず燃える作品です。ただストーリーに関しては多少残念なところもありました。
藤P先輩とほのかの“誰もが羨む”ツーショットをその目で実感してしまったなぎさが、ほのかの無神経さに苛立ってしまい八つ当たり、微妙な空気になったまま旅行一日目の夜を迎え――という流れは恋する女の子であるなぎさの心境を上手く描いていると思います。なぎさ自身、ほのかが藤P先輩に
気がないことは知っているし、肝心の“ミス”にしたってほのかが悪くないことは充分にわかっている。それでも当たってしまうというどうしようもない嫉妬心というのが痛いほど伝わってきます。
一方のほのかはというと、旅館の電話でおばあちゃまと話して「何かあったの?」と訊かれた際に受話器のコードをぐるぐる巻きながら「何もない」と答えるシーンとか、細かい演出に凝っていて、やはり『プリキュア』はそういった描写が秀逸だなぁと感心してしまいました。
それで、自己嫌悪に陥っているなぎさに対してなぎさの親友の莉奈が「雪城さんとなぎさはホンモノじゃないんだ」とばっさり言ってのけるわけですが、こういうことをはっきりと言いつつハッパを掛けるところとかすごくカッコ良い。この莉奈となぎさ、志穂のラクロス部3人はチームメイトで気兼ねなく何でも言える大の仲良しだけど、ほのかと親友なのはなぎさだけで、他のふたりはあくまでもほのかとは“雪城さん”くらいの友達という距離感もポイント。また、それだけはっきりと詰める莉奈に対して、志穂の方はあくまでもだらんとした自然体の姿勢を崩さない。このバランスがなぎさを過度に追い詰めることにならず、救いになっています。
その後も、互いに謝ろうとしていたのにタイミングを逃したまま雲の国へ行くことになってしまった2人(と、ひかり)の微妙な関係が続く中でのぎこちないやりとりも良かったです。
――と、ここまで絶賛しておきながらじゃあどこが残念だったの?ということになりますが、それは主にひかり&ひなた関係のストーリーです。
今作の本当の主人公はひかりで、
つまり、確かにひかりはひなたの保護者であるかもしれないですけど、“ホンモノの友達”と言うに値するほどの存在かというところには大いに疑問を抱くわけです。大切な人への愛情かもしれないけど、それは友情とは違うんじゃないの?と。たとえ、それが友情であったとしてもそれはまだホンモノとかニセモノとかいえる段階のものではなく、言うなればほのかと莉奈、志穂くらいのレベルの友達だと思うんです。あくまでも、ただの友達。
それが“ホンモノ”の友情を、あれだけ丁寧に描いてみせたなぎさとほのかに対比させられるから、余計に中途半端に感じてしまったんです。うーん。
ただ、ひかりの「友達はそんな言い方しない」の言い方には、いままでのルミナスのイメージにはない、女王のオーラみたいなものを感じました(実際、『Max Heart』はラストの10話ほどしか見てないんですけどね……)
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