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ジョン・ジャクソン・ミラー『スター・ウォーズ 新たなる夜明け(上)』

スター・ウォーズ 新たなる夜明け 上 (ヴレッジブックス)スター・ウォーズ 新たなる夜明け 上 (ヴレッジブックス)
ジョン・ジャクソン・ミラー 浅尾 敦則

ヴィレッジブックス 2015-04-24
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★★★★☆
最後になったが、これまで『スター・ウォーズ』の世界を舞台にした作品を生み出してきたすべての作家、
およびその作品を支持してきた読者たちにも感謝を。
私たちが愛するそれらの作品は、
必ずしもすべてがひとつの時間軸にきれいに収まるとは言えないかもしれないが、
そのひとつひとつが重要な作品であることに変わりはない。

銀河帝国初代皇帝が鉄の支配を進めるなか、政府の理不尽な指示により、惑星ゴースには混乱がおとずれていた。正体を隠し銀河系を放浪してきたケイナンは、身銭を稼ぐためゴースの採掘会社で爆薬輸送パイロットとして働いていたが、帝国の動向を探る謎の女性ヘラと出会ってことにより、この惑星の稀少物質に目を付けた冷酷な伯爵の陰謀に巻き込まれていく……。


『スター・ウォーズ 新たなる夜明け』上巻。
 『EP7』の公開決定により過去35年間に発表されたスピンオフ群は「レジェンズ」という名のチャラになり、新たに「カノン」として設定される新スピンオフ群の第1号ノベルの翻訳版が遂に発売されました。これによって、いままでG-カノンやT-カノン、C-カノンといった具合に段階分けされていた“正史”が完全に統一され、今後は映画、テレビ、小説、ゲームが連携的にひとつのタイムラインを形作っていくことになるようです。

 そんな「スター・ウォーズ」の世界観そのものにとっても“新たなる夜明け”となる本作品。年代は『EP3』から8年後、『EP4』を基準にすれば11年前の物語で、アニメシリーズから6年前の出来事を描いた『スター・ウォーズ 反乱者たち』の前日譚です。
 時代的には新旧三部作のちょうど中間に当たりますが、共和国が帝国に変わってかなりの月日が経っているだけあって、流れる空気や人々を覆う閉塞感、帝国軍人による横暴が常態化している情勢はかなり『EP4』に寄ったものとなっています。旧「レジェンズ」群においても『EP3』と『EP4』の間のエピソードはいくつか描かれてきましたが、どちらかというと『EP3』の後日談or『EP4』前夜のストーリーといった扱いのものが多く、ここまでがっつり合間を取った作品もあまりなかったのではないでしょうか(邦訳小説では「ハン・ソロ」三部作の『聖地の罠』くらい?)

 ストーリーとしてはとある鉱山惑星で採掘物資の運搬を生業に、日々を酒やケンカにあけくれた過ごすケイナンがひょんなことから惑星全体を揺るがす大事に巻き込まれ、帝国の将校や伯爵らとの対立を余儀なくされるというもので、『反乱者たち』のメインキャラクターでもあるヘラとの出逢いも描かれます。
 ジェダイ・ナイトにも昇格していない十代前半の時期にオーダー66が発令され、マスターに庇われわけもわからぬまま戦場から逃げ遂せたケイナンは決してジェダイの道に未練や誇りを持っているわけでなく、むしろアプレンティスの頃からジェダイの教えに常に疑問を抱いていたというのが珍しい。アニメ本編(といっても第1話しか観ていませんが)では落ち着いているふうでデイブ・フィローニ監督曰く“カウボーイ・ジェダイ”である彼がまさかここまでダメ人間で女の尻を追っかけ回す軟派野郎だったとは……。
 上巻ではまだまだジェダイらしいシーンもないので、これから話が進むにつれて意識が変わってくるのかな? とりあえずは続きに掛かりたいと思います。

 ところで、本書にはデイブ・フィローニによる序文と作者による謝辞も掲載されていて、特に後者は「スター・ウォーズ」ひいては「レジェンズ」を愛し、喪失感を味わったファンにとっては感極まる文章です。ここまで感動する謝辞を書いてくれただけで、少し救われた気分になりました。
 今回、引用したこの言葉は今後『SW』を語る上で未来永劫に継がれていってほしい、素晴らしき名文だと思います。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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