2015.04/18 [Sat]
映画『ジュピター』
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★★☆☆☆
偉業を成し遂げる宿命を持つ星座に生まれながら、現実には毎日ひたすら働いていたジュピター。ある日、何者かに襲われた彼女は、突然現れた強靭な戦士に助けられる。そして、自分が宇宙最大の王朝の王族だと知らされる。戦士はケインと名乗り、遠い星の遺伝子操作によって生まれた、身分は最下級だが戦うためだけに特化した究極の戦士だと言う。王朝では三人の継承者が覇権めぐり争っており、亡き母と同じ遺伝子配列を持つジュピターが生まれ変わりとして引き継ぐ地球を狙っていた。 (2015年 アメリカ)
ウォシャウスキー姉弟の手掛けた最新作、『ジュピター』を観てきました。近未来を舞台に、実は地球は宇宙を支配する強大な一族がこさえた農場のひとつだったという設定の下、社会の最底辺な生活を送るヒロインが突如として現れた襲撃者とそれを撃退した男によって自らにまつわる出生の秘密を知らされ、宇宙規模の家督争いと地球の命運を懸けた出来事に巻き込まれるスペースオペラです。
物語としては典型的な貴種流離譚であり、『マイティ・ソー』と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を足してロマンス成分増量、『シンデレラ』風味に仕上げましたといった感じ。恋も知らない女の子がワイルドなイケメン戦士と惹かれ合うも、種族の違いや立場の差によって彼は本心をひた隠し、その隙に優男のおぼっちゃんが政略も兼ねて結婚話を進めてしまってさあ大変というところが最大の関心事になってくるあたり、ティーンエイジャーの女の子向けな匂いがぷんぷんします。
ヴィジュアルはお金が掛かっているだけあってさすがの大迫力、圧倒的物量を誇るクオリティで、100階近いビルの高さに視点を置いての空中戦、スクリーンめいっぱい使っての宇宙戦には目を見張るものがありますが、目まぐるしくて誰がどう動いているのかがイマイチ判別できないアクションシーンはあまり宜しくありません。
刺客の衣装や空飛ぶシューズ、オオカミ種や背中に生えた羽といった各ガジェットも些かチープさが漂います。
何というか、そもそも大体からして「ウォシャウスキー姉弟だから観に行く」という人たちはハナから視聴者層から外れているんじゃなかろうか。もっと資本主義批判みたいな方向に突っ切ってくれても良かったのですけど、そういう作品ではないんでしょうね。
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