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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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相棒 Season 13 第18話「苦い水」


★★★☆☆
 中の人の妊娠、出産が続いたこもあり久々の雛子回。映画への出演はあったとはいえ、テレビシリーズ本編への登場は神戸期の「罪と罰」以来でしょうか。特命係と敵対する最大の障害として、一度は歴代相棒全員と顔合わせさせておきたくてこの時期に滑り込ませたような、というのはちょっと考えすぎでしょうか。

 真野脚本らしくノスタルジックでロマンチック、そしてどこか切なさの漂う物語でしたが、どちらかといえば臆病だった片山雛子の少女時代を紐解き、その人格形成に大いに影響を及ぼしたエピソードを描いたのはかなり賛否が割れそうです。雛ちゃんといえば長谷川元副総監と並んで『相棒』のラスボスとも目される人物であり、強大な壁――何を考えているのかわからず、すべての物事を自分の思ったように転がしてしまう得体の知れぬ恐ろしさを持った人物なのです。
 その彼女の弱い部分を詳らかにし、人間的な肉づけを行ったことによりキャラクターとして深みが出た一方で、敵としての黒さを濯いでもしまっている。“倒すべき存在”というレベルから“親しみを抱ける対象”にその存在を下げ、手の届くところにまで落としてしまっているのです。
 この先、『相棒』がどういった展開を迎え、どのような着地を見せるのかは不明ですけれど、単純なお話の良し悪しではなくシリーズの全体像を改めて俯瞰してみたときに、これはちょっとやっちゃったかなぁと思わないこともありません。

 次回はいよいよ、“カイト相棒”最終章。予告を見る限り、カイト君=ダークナイトその①であるフラグが立ちまくっていて嫌な予感しかしない。何とかミスリードであってほしいのですが、果たして……。



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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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