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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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相棒 Season 13 第16話「鮎川教授最後の授業・解決篇」


★★★★☆
 捜一とカイト君、米沢さんの活躍で右京さんらが監禁された別宅は特定されるも、時既に遅く。鮎川教授は家政婦である黎子さんの“正統防衛”によって命を絶たれた後だった……ということで、スリリングな事態が後編開始早々に決着してしまうのはいつもの『相棒』クオリティ。そこまでは前座とばかりに、なぜ鮎川教授がそんな行動に出たのか、恋愛関係でもない彼女をどうして教授は自分の下に置きたがったのかという動機部分にフォーカスが当てられます。

 黎子さんと教授の関係は相応に納得できるものだったとはいえ、そこから先の真相のひとすじ縄でのいかなさは『相棒』の面目躍如といえるでしょう。産まれる前の胎児の頃に殺されかかったことへの恨み、それを悔いて自らをわざと殺させるように仕向けたお膳立て、そして正当防衛だった事件を本人の感情すらも飛び越えて“後付け”で殺人と断定してしまう右京さんの頑なまでの姿勢。毅然とした、といえば聞こえは良いですが、劇中でも指摘されたとおりに右京さんの行為は殆ど暗示に近しい誘導であり、およそ刑事ドラマの主人公とは思えないブラックっぷりはまさしく「杉下の正義は暴走するよ」の体現です。
 ここで右京さんにどこまでもついていくのが薫ちゃんであり、正面衝突しても止めに掛かるのが神戸君であったことを考えると、今回のカイト君の反応は卒業前の“相棒”としては少々物足りなかったかもしれません。

 まあ、カイト君はカイト君で悦子さんのことでいっぱいいっぱい&子供ができて思うところもあったのだろうし、仕方ないっちゃ仕方のない状況でもあったんですけどね。歪な親子関係が生んだ事件の中にあって、社さんとカイトくんそれぞれが子供を持つ親としての表情を見せるところも今回のポイントだったと思います。
 それにしても悦子さんの病気が骨髄性の白血病とは。母子共に健康で無事出産は終えるも、治療に専念する悦子さんの代わりにカイトくんが子供の面倒を見れるよう、甲斐次長が手を回して定時で帰れる部署に異動かな。
 社さんと右京さんの息も合っていてこのコンビでの『相棒』も見てみたい気もしますが、スケジュール等々考えるとやっぱり難しいですかね(『9係』を1クール前倒しにしたのは仲間由紀恵のスケジュールを調整して夏クールから『相棒』を始めるため、との考えもできなくはないですが)

 さて、次回は恒例の陣川回。今シーズンはいままでの女性に惚れて~パターンからは少しズラしてきたようで大いに期待。残り話数もあと1回か2回かな?


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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