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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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映画『バトル・オブ・アトランティス』

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デヴィッド・リマゥイー

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★★☆☆☆
異変は、大西洋の海底から始まった。原油層で眠り続けていた“怪獣”の卵が、数億年の眠りから覚めたのだ。この事態を予期していた人類は、人型巨大兵器による防衛作戦“アルマダ計画”を発動。レッドたち3人のパイロットが操る3体の巨大ロボットは、猛威を振るう怪獣に戦いを挑むが……。


 突如として海底から出現した怪物を巨大ロボットに乗り込んだ海兵隊員らが迎え撃つSFアクション。
 B級以下の映画市場では、本編の内容如何に関わらず日本での販売に際して大ヒット作に便乗した邦題を付けるパターンも少なくありませんが、本作はなんと原題からして『Atlantic Rim』。太平洋(パシフィック)に対しての大西洋(アトランティック)ですからね、この安直すぎる発想よ! 日本が誇る怪獣VS巨大ロボの戦闘を圧倒的リアリティを伴った映像をもって実写化し、世界中に衝撃を与えたかの『パシフィック・リム』を模して作られたことを1ミリたりとも隠そうとしない姿勢が清々しい。

 しかもそれだけには留まらず、設定のアレコレからシーンのひとつひとつ、細かな演出までも完全に本家を意識したもので、主役3人が横並びで画面に現れ初搭乗するまでの流れは完全に『パシフィック・リム』のそれ。格納庫からロボたちが運ばれていくシークエンスも完全アウトといって良いレベルで丸パクりしています。
 にも関わらず、パイロットたちの着る星型マークでも付けているのかというようなウエットスーツにちゃちな神経接続装置、食堂の一角を間借りしたがごとき片手間な作戦司令室、ブリキのおもちゃ紛いなロボデザイン、空中戦での必殺技 etc……それらすべてが壊滅的なくらいにダサすぎる。巨大人型兵器の強制遠隔操作がマウスのクリックひとつって、どんだけのなの。あの『パシリム』と同じ素材を使ってここまで酷いものが作れることが、もはや奇跡でしょう。

 おまけに怪獣はめっぽう弱く、戦闘機からのミサイル数発でやられてしまうのに軍の将校(?)やたらと核を使いたがる意味不明さはギャグでしかありません。いや、シナリオに緊張感を持たせたいのわかるのだけど、この程度の相手なら普通に倒せるっしょ。
 しかも肝心の巨大ロボはそのよわよわな怪獣よりもさらに低性能だから始末に負えません。ミサイルでも討ち取れる相手にわざわざさほど強くもないロボで肉弾戦を挑む必然性がそもそも皆無なのに、この映画の登場人物たちはそれが唯一の手段だと信じて疑わないんですね。
 大した被害も出ていないハズなのに死体役のエキストラの皆さんがやたらと街に溢れているのもシュールだし、ラストの成層圏からロボごと墜落して無傷でピンピンしているあたりの大雑把さも半端ない。スタッフや出演者はどういうテンションでこれを作っているんだろう、と本気で疑問に思います。
 まあ開始数分、調子に乗ってゴロツキに喧嘩を売って一方的にボコす主人公カップルの所業を見た時点で嫌な予感はしていましたともさ。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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