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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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ミッシェル・コーギー『スター・ウォーズ 反乱者たち(1) 反乱の口火』

スター・ウォーズ 反乱者たち (1) 反乱の口火 (角川つばさ文庫)スター・ウォーズ 反乱者たち (1) 反乱の口火 (角川つばさ文庫)
ミッシェル・コーギー

KADOKAWA/角川書店 2015-02-13
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★★★☆☆
ためらいの気持ちが生まれたとたん、エズラを動かしていた“力(フォース)”が消えた。
そして、エズラは落ちていった。

遠い昔、はるか彼方の銀河系で……。宇宙は悪の帝国軍によって、支配されていた。帝国の支配下にある惑星ロザルで、14歳の少年エズラは軍の荷物を奪おうとする3人組に出合う。荷物を横取りして軍から逃げるエズラの危機を助けたのは、さっきのあやしい3人組。彼らは、帝国への反乱者たちだったのだ!


「スター・ウォーズ 反乱者たち」第1作。
 ディズニーによるルカース・フィルム買収後に製作されることが発表された3Dアニメシリーズ、『スター・ウォーズ 反乱者たち』の第1話をノベライズしたジュニアノベルの邦訳版です。
 3D版『エピソード1』の際しての新訳文庫版発売、3D版『EP2』公開中止による時期逃し、本国での買収ニュースによって『ボバ・フェット(5)』の発売がうやむやとなり、その間『ダース・ヴェイダーとルーク(4才)』のヒット等で日本におけるSW書籍市場は絵本とヴィジュアル本中心に移行してしてしまったため、「スター・ウォーズ」の新作翻訳小説としては2011年の『ボバ・フェット(4)』以来、実に4年ぶり。よもや再びSW小説の新作を読める日がこようとは!
 一度は絶望的な状況に陥っていただけに、たとえアニメの内容をなぞったノベライズだとしてもまずはその事実を言祝ぎたいです。

 本作『反乱者たち』は『EP4』の5年前の物語に位置し、『EP7』製作に当たって正式にリセットが表明された“レジェンズ”とは別のタイムラインで繰り広げられる正史という扱いです。
 この『反乱の口火』ではデパ・ビラバの弟子でオーダー66の生き残りでもあるケイナン・ジャラスとその仲間であるヘラ、ゼブ、サビーヌ、チョッパーと辺境のロザルにてスリ稼業で日々を生きる少年、エズラ・ブリッジャーとの出逢いが描かれ、ここから新たなストーリーが紡がれます。
 小説版は基本的にはアニメの流れをメインに、主にエズラや帝国保安局のエージェント・カラスなど各キャラクター周りのエピソードをところどころ補完したものとなっています。ロザルでひとり通信タワーに暮らす少年という、よくよく考えてみると奇異な設定にも隠された秘密があるようで、今後の展開にも大いに含みを持たせていました。
 アニメではイマイチよくわからなかったケイナンのエズラに向ける心情がフォローされているのも嬉しいところです。

 それはともかく気になったのが、一部の専門用語が従来までとは違った訳になっていたことです。キャッシーク→カッシャーク、トワイレック→トゥイレック、レック→レクーと、本書ではこれまで親しんできた作品とは異なる訳語が採用されています。確かに原語の発音に忠実だとトワイレックよりもトゥイレックの方が近いですし、現にそう表記するファンもいます。レックに関しても、レクーはレックの複数形なのでトワイレックの身体的特徴を勘案すると後者がより正確な表現ともいえるでしょう。
 過去にもコルスカントがコルサントになったり、パルパタイン、イーウォックなど日本語表記が変わった名詞はたくさんありましたけれども、少なくともここ15年はトワイレックはトワイレックであり、レックはレックだったハズです。そもそも複数形を日本語に直した場合、それこそレベルズのように「単数形+たち」みたいな表現になるんじゃないでしょうか。
 これらが翻訳者の不勉強orこだわりによるものなのか、『EP7』公開に伴って訳語の一新が行われる可能性を示唆しているのかはわかりませんが、近年でも『CW』にてイーヴン・ピールがイーヴン・ピエルにされた前科もあるのでファンは相応の覚悟をしておいた方が良いかもしれません。
 とりあえずは月末発売予定の『A NEW DAWN』次第ですね。ここにきて訳語の刷新とかマジで勘弁してくれ……。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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