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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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天祢涼『都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ』

都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ都知事探偵・漆原翔太郎 セシューズ・ハイ
天祢 涼

講談社 2014-09-11
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★★★★☆
そもそも、動機のミステリなんて流行らないよ。
苦労して魅力的な動機を考えても『犯人がすぐにわかってつまらなかった』と酷評されるのがオチだと、
知り合いの銀髪の女性が云っていた

弁舌巧みな爽やかイケメン、でも天然な世襲政治家・翔太郎が、都知事選に立候補すると言い出した! 真面目で融通が利かない秘書・雲井は、翔太郎のために奔走し、妨害工作を退け、彼は都知事に当選する。だが、二人の前に次々と現れる難事件――テロ組織・アイスクリーム党による都議会襲撃、ゆるキャラ「ケンダマダー」殺害、そして都の賓客である美人王女のダイヤ盗難……。支持率が急落する都知事と秘書が真実を明らかにするとき、東京の、そして日本の政治が変わる!?


「セシューズ・ハイ」第2作。
 おバカな言動で世間を賑わすお騒がせ政治家が降り掛かる難題を何やかんやと解決していくユーモアミステリの続編です。今作では東京都知事に就任した翔太郎が国政から都政に舞台を移し、くだらげな謎から日本を揺るがす大事件まで快刀乱麻にぶっ断斬ります。
 事件を利用して翔太郎が秘書の雲井を弄ぶのはいつものことながら、シリーズも2作目となったことで、雲井が間違った推理を披露→翔太郎がひっくり返す二段構造を読者も当然想定しているものとして、各章微妙に変化をつけて同一パターンに陥らないように配慮するなどの工夫が凝らされているのも感心です。

 ひとつのひとつの謎解きのクオリティも格段に上がり、一見無関係な多様なエピソードが布石となって最後に大きな陰謀の存在が明るみになるのも前作同様。むしろ規模からいえば本当に日本全土を巻き込むような大スキャンダルが暴き立てられて、そのスケールもいっそう増しています。
 とはいえ本作では内容がデリケートなだけに黒幕との決斗は部外者を排した密室で行われ、大群衆を前にして抜群の緊張感と絶対の成功を強いられる劇場型の謎解きという、政治家=名探偵の設定が抜群に活かされた解決パートを見せつけてくれた前作に比べると、個人的にはややインパクト不足でもありました。
 そこまでくるとミステリとしての完成度を取るか、見栄えの良さを求めるかの問題なので、あとは完全に好みですね。


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プロフィール

はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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