2015.01/20 [Tue]
映画『ダイナソー・プロジェクト』
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★★☆☆☆
世界的な動物学者であり冒険家であるジョナサン・マーチャント率いる英国未確認生物学会のメンバーから構成された調査隊は、伝説の未確認生物“モケーレ・ムベンベ"を調査する旅に出発する。一方、トラブルばかり起こしているジョナサンの息子ルーク・マーチャントは、アフリカ大陸コンゴの秘境へ向かう調査隊のヘリコプターに高性能小型カメラと共にこっそり忍び込むのだった。しかし、彼らを乗せたヘリコプターはコンゴ中心部付近のジャングルで突然消息を途絶えてしまう。
(2013年 イギリス)
モケーレ・ムベンベの探索隊がコンゴの奥地で密かに生き延びていた恐竜たちと出逢うモンスター・パニック。
怪獣ぐわーっ!!な単細胞かつ変わり映えのしないモンスター・パニック作品群にあって、このジャケットのセンスの良さはそれだけで人を惹き付けるものがあります。しかし、騙されることなかれ。あらすじから受ける印象を微塵も裏切ることなく、例によって例の如くものの見事にクソ映画でした。
冒頭、主人公の少年が父親の調査に同行(という名の密航)することになる経緯から遭難後、未開の地での太古の生物との驚愕の遭遇、仲間割れから最終的な顛末までをハンディカメラによって撮影するPOV作品ということで、はじめこそ奇を衒った映像表現として歓迎された手ブレ撮影もすっかりこの手のパニック映画の常道パターンに組み込まれて久しい今日この頃。誰がどう見ても地雷臭しかしないわけですが、それでも観てしまうのがジャンルファンというものです。
しかも本作の題材はモケーレ・ムベンベ! コンゴはテレ湖でその目撃が続き、その肉を食した原住民は全員死亡。かつては最も存在する可能性が高い未確認生物とまで言われたあのモケーレ・ムベンベが題材と聞いては、UMAファンとして黙っていられません。現在ではテレ湖の水深が平均1.5メートルと極めて浅いことが指摘され、数メートル級の巨体を隠すには不適当なことからもほぼいないだろうというのが通説ではありますが、そこはニューギニア、オーストラリアと並んでUMA大国のコンゴ。モケーレ・ムベンベがいなくともムビエル・ムビエル・ムビエルがいる! ンデンデキがいる! エメラ・ントゥカがいる!と未知の生物が潜んでいそうな未開の地に変わりはないのです。
そんなこんなで低予算と片手間加減を誤魔化すための手段として用いられがちなPOV作品にしては映像面はなかなか優秀で、恐竜のCGはそれなりに見られるし、何よりも実際にジャングルでロケーションを行ったと思われるカメラを通して映し出される密林や川、切り立った崖に挟まれた水路などの雄大さはまさにホンモノの迫力。こんな場所なら恐竜が生き残っていてもおかしくない感、外の世界と隔絶された秘境感は確かに出ています。
が、やはり脚本が悪い。翼があって泳げもする羽毛恐竜(?)が川に逃げただけで追ってこなくなったり、恐竜の子供に不用意に餌をやるわ、餌付けされた恐竜が主人公に懐くわで失笑レベルな展開が多すぎます。
加えてこの主人公の少年がとにかく腹立たしい。見合った能力もないクセに主張ばかりは一人前で、結果チームをピンチに陥れることしかしていない。たまに上手くいったらしたり顔で調子に乗ってくる。こんな魅力のないキャラクターに90分も付き合っていられませんよ。
パニック映画はキャラクターが命だと、何度言ったらわかるんだ……。
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