2014.12/28 [Sun]
ウルトラマンギンガS 第15話「命という名の冒険」
いよいよ最終決戦。後半戦の田口監督と同じく明度を落とした色調と、初っ端からギンガとビクトリーが負けた後という異色な導入に面食らいました。思わず1話抜かしているんじゃないかと自分の記憶を疑ったほどです。
ビクトルギエルとエクセラーの猛攻に対する最終手段としてキサラ女王に導かれ、機械の身体を持つマナが切り札である地球の意思を伝え聞いてくる役割を担い、不安定な立ち位置にあった彼女にかつて無生物であるジャンナインと共に闘った友也が命の意味について語り聞かせるのが良いですね。無印『ギンガ』では友也こそがタロウに諭される立場であっただけに、そんな彼が他の誰かを導くまでになったかと思うと感慨もひとしおです。
このあたりの一期を踏まえたドラマ展開は『ギンガS』最大の長所であり、『ウルトラギャラクシー』を除き同じ主人公が連投する形態での初めてのテレビシリーズとして上手く活用している印象があります。
一方で説明不足は相変わらず。UPGの面々が地下世界に招かれてもビクトリアンに招かれても何ら驚きを見せず素直に従ってしまうのは、ヒカルや友也から情報が上がっているからなのか。それとも単なる不備なのか。そもそも隊長やゴウキ、アリサがショウのことをどんな存在として認知しているかもはっきりわかっていないから、その後の正体バレ演出にもそこまでノり切れません。
『メビウス』にてドラマ中盤で仲間に正体を知られた上でお話が続いていく構成にして以来、『ウルトラギャラクシー』に『サーガ』に『ギンガ』と主人公が自分の能力を隠さない作品が続いていたこともあって、従来までの“最終回直前までは正体は秘密”といったお約束が逆に成立し難くなってきているのは悩ましどころですね。
戦闘後の「おーい!」→「おまえ大変なときにどこ行ってたんだよ」で済んでいた部分に、容赦なくツッコミを入れて晒さざるを得ない土壌を作ってしまったというか。
ウルトラマンへのライブは3分という根本設定を逆手に取り、時間ギリギリまで粘ってもうひとりにバトンタッチ、休息を挟んで再変身という裏技はスパークドールズシステムならでは。こうすることで2人ウルトラマン制の見せ方にも幅が広がりますし、独自性を生んでもいます。これも『ギンガ』一期でのマンダーク&セブンダーク戦から学んだ戦術と観て取れます。
坂本監督らしくノンストップで爆破!爆破!爆破! CG、アナログ織り交ぜてとにかくド派手で見応えのある映像が続くのが嬉しいところですが、オープンセットのカットで電飾の効果が死んでいること、背景の木々と比べて急にウルトラマンが小さく見えてちゃちく感じられるところは特撮映像的にはNGでしょう。ミニチュアの細かさだったり自然光をありがたがる風潮は特撮クラスタの中に根強いけれど、自分としては特撮技術はあくまでも“実際にはできない映像をいかにリアルに作り出すか”のためにこそあると信じているので、そこに不自然さが出てしまうのは好きではありません。
ライダー以上に虚構感のある存在であり、ただそこに立っているだけでは成立しない巨大ヒーローであるからこそ、そのあたりの“見え方”には特に気を配って欲しかったです。
『ウルトラマンサーガ』もそうでしたが、目やカラータイマーを常に光らせておく必要のあるウルトラマンにとって、明るすぎるオープンセットはあまり向いていないように思うんですよねえ。
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