2014.12/21 [Sun]
ウルトラマンギンガS 第12話「君に会うために」
何週前だ、というツッコミはなしの方向で。アイドルとして人気急上昇中の千草と、侵略の先兵として送り込まれたハズがすっかりドルヲタと化したメトロン星人ジェイスことタンバリンおじさん(丹葉さん)が主役の田口監督による異色作。
いや、ね。宇宙ケミカルライトを使ってヲタ芸を披露するメトロン星人とか、もはやどこからツッコミを入れたら良いのかわからないほど爆笑させられましたが、単なるシュールギャグで終わっていないのが凄いところで、輝度を下げてのリアリティを醸した映像と特撮シーンのクオリティの高さは『ギンガS』の中でも特に高かったです。
序盤のインペライザー戦をビルの窓ガラスに映った像だけで見せてみたり、密々としたビル群の中にビクトリーを立たせ画面の情報量を上げることで巨大感を演出したり、UPGとボルストさんのやりとりに背景としてインペライザーとビクトリーを格闘させたりといままでに出てこなかったような画が盛りだくさん。とにもかくにも臨場感が半端ない。爆発したときに金属がガコンガコン音を鳴らすのも田口特撮の特色ですね。
千草の歌をバックにゾアムルチと闘う場面も、レンズフレアをスポットライトに見立てるなど凝りに凝った演出で、なるほどマクロスちっくなアニメ的演出を実写にするとこういうふうになるのかといたく感心させられました。そのゾアムルチ戦もメトロン星人にはお馴染みの夕日+『帰マン』を髣髴とさせる長回し+『エース』の組み合わせ、とこれまたマニアック。ただ、これに関しては個人的には思うところもあり、古き良き時代のオマージュばかりに頼っていると今後10年、20年後にも語られるような“新しい名場面”を生み出せず、いつになっても昭和至上主義から抜け出せなくなってしまうんじゃないかという不安もないこともありません。
まあ、低予算といわれる『ギンガ』でこれだけの映像を見せられて、そこまで申すのはそれこそ贅沢な悩みではありますが……。
人間同士の信頼感を揺さ振り破滅へと導くメトロン星人が、洗脳や狂気を誘う光にも負けない輝きと熱気に当てられて魅了され、異星の地で心からの友まで得るという脚本が、『セブン』や『マックス』で描かれたメトロン星人のキャラクター性とテーマを継承しつつも、まったく真逆のポジティブな意味合いを見出している点にも注目でしょう。
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