2009.11/07 [Sat]
ジェームズ・ルシーノ『スター・ウォーズ 偽りの仮面』
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★★★☆☆
真の騎士よの。クワイ=ガンは。
――常に自分の道を守りつづけておる。
一千世代にわたってつづいた銀河の平和に崩壊の兆しがあらわれていた。辺境領域では、暴利をむさぼり密かに軍備を増強するトレード・フェデレーションと、テロリスト・グループの争いが激化の一途をたどっている。これに対し、元老院議長ヴァローラムは、パルパティーン議員の助言により、辺境域貿易の課税制度導入を通商サミットで提案することになった。暗黒卿ダース・シディアスに操られたトレード・フェデレーション、汚職議員、暴走する過激派たちが集まるサミットの水面下で進められる議長暗殺計画。クワイ=ガンやオビ=ワンたちジェダイは暗殺計画を阻止するために立ち上がった!
家の本棚に長らく寝かせてあったスター・ウォーズ小説。積読本消化の一環でようやく読もうと手に取ったのですが、実はこれ、もう絶版だったんですね。なんというレアリティ!
舞台はエピソード1の2年前。いま現在邦訳されているSW小説の中では最も古い時代のものになります。ヴァローラム元老院議長の暗殺計画を軸に、通商連合がバトル・ドロイドを大量配備するに至った過程、ヴァローラムの“汚職”の真実、アミダラ女王即位、そしてなぜナブーが通商連合に封鎖されることになったのか、というEP1の背景が描かれていて、これを読んでからEP1を見るとより理解が深まりそう。
SWの面目躍如ともいうべき重厚で政治色の強いストーリーは、ときたま置いていかれそうになるくらいでした。だが、それが良い!
パルパティーンの巧妙な人身掌握術と策略に嵌まり、動かされていく銀河の様子は、まさに共和国の崩壊への序章。ヴァローラム議長こそ殺されなかったものの(EP1で生きているからネタバレではないよね?)、かなりのバッドエンドだと思います。
物語はEP1の前ということで当然活躍するのはクワイ=ガン・ジンとオビ=ワン・ケノービの師弟。さらに映画ではチラ見せだったアディ・ガリアも主要キャラとして活躍します。先だって発売した『ミレニアム・ファルコン』でクワイ=ガン、プロ・クーンと共に写真(?)に写るアディ・ガリアの姿があったので仲が良かったのかな?とは思っていたのですが、なんとタイムリーな。それにしてもアディ・ガリアって人間だったんですね。あの頭から生えているやつは単なる飾りだったとは。
さらに驚くべきことに、クワイ=ガンたちと共に行動するジェダイの中にヴァーゲアの姿もあります。ヴァーゲアといえば『ローグ・プラネット』(これまた積読)で姿を消し、後にニュー・ジェダイ・オーダーの時代にユージャン・ヴォングと共にこの銀河を再訪する、SWサーガの最重要キャラクターです。ここで絡めてくるか!と。
ワンシーンながら『外宇宙航行計画』でアウトバウンド・フライトを仕切ったジェダイ、シボースが出てきたり、皇帝の腹心・ターキンも登場。キャラだけ追っても飽きさせません。
しかしジェダイ・オーダーは相変わらず堅物というかなんというか。確かにクワイ=ガンはジェダイにおいて異端だな、ということがよくわかる小説でもありました。
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