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ウルトラマンギンガS 第11話「ガンQの涙」


  『ギンガS』初の日常編にして異色作。アクマニヤ星人ムエルテ(マニアックすぎるチョイス!)によって強制的にガンQにライブさせられてしまったうだつの上がらない馬介さんサラリーマンと母子家庭の少年・サトルとの交流を描いたお話です。
 明らかに前回までとは異なるレトロな色調に鍵っ子少年と自転車の練習、と穿った見方をすれば最初から狙ったふうなお話ではあるのですけれど、それはさて措いても感動させられる好編でした。振り返ってみると『ギンガS』に入ってからはエクセラー陣営との攻防に掛かりっきりで登場人物の心情にスポットを当てた話というものが殆どなく、それが特撮面の充実に反してイマイチ物足りなさがあった一因でもありました。しかし今回、UPGやヒカルたちを脇に据えてガンQとサトルを主役にしたことで、SF(サイエンスフィクション)ではない「ウルトラ」本来のSF(少し不思議)感をよく出せていていました。
 かと思えば縦糸の物語としても今回のようなエピソードは重要で、防衛チームやウルトラマンが闘う下で市井の人々は何を考え、どう生きているのかがきちんと描写されているというのはヒーローもの――特に一般市民が見えにくい巨大ヒーローものにとっては非常に大きいです。

 UPGの面々が吉田の言い分を聞かずに攻撃を加えるところも、過去にガンQが現れ破壊活動を行った事実に基づいているためしっかりフォローされています。UPGの新設設定もそうですが、話数が増えたのに着ぐるみの種類を用意できない現在の円谷にとって予算のなさをドラマ的な必然性で補う手法が段々と上手くなってきていますね。
 加えて『ウルトラゾーン』で培った低予算でもリアルな特撮、一期にあった一般人への怪獣ライブ、ギンガストリウム登場以後めっきり使われなくなったギンガ通常技であり扱いの難しそうなギンガコンフォートの使用、そしてスパークドールズの存在を活かしたオチといい、『ウルトラマンギンガ』の設定をフルに詰め込んだ素晴らしいエピソードでした。あの自転車カゴのガンQは反則だよ……。涙腺にきたよ。
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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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