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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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相棒 Season 8 第3話「ミス・グリーンの秘密」

★★★★☆
私から見れば、あなたはまだ新芽のようなものよ
――まだ芽吹いたばかりの、初々しい新芽だわ。

マンションで男が殺害された。事件に関して主婦から情報が寄せられるが長話を嫌う捜査一課から捜査を任せられてしまう右京。さっそく尊と共にその主婦から話を聞くと、主婦は事件直前に緑という老女に被害者男性の自宅住所を教えていたという。右京は尊に緑をマークさせるが捜査に不慣れのためあっさり見つかってしまう。おまけに緑の自宅に招き入れられてしまい……。
一方、右京は半年前のある事故の情報をつかむ。ガーデニング好きで「ミス・グリーン」と親しまれていた緑。その穏やかな微笑みの裏に何かが隠されているのか――?


 これは良かった。
 冒頭、あらすじからは想像もつかないような大事に発展したクライマックスの様子を描き、そこから何が起こったのか遡るという手法は『CSI:』なんかではよく使われているけれど、『相棒』では珍しいかな。ここで、ミス・グリーンの秘密=何をした?という風に惹き込まれていきます。実際、あらすじの時点でミス・グリーンが殺人に関与していることは丸わかりなので、それとは別のところで展開への興味を持たせるのは必須でしょうし。

 また、“ミス・グリーン”のタイトルだけあって全体の画がやわらかなグリーンに包まれているのが良いです。普段の『相棒』は冷たいブルー掛かっている画が多く、それが重厚さを演出する助けにもなっています。ですが、グリーンが掛かっている話は記憶にはありません。このグリーンが掛かった画づくりが全体に暖かな、どこかふわふわとした雰囲気を漂わせるのに一役買ってます。まるでミス・グリーンそのものみたいな。

(それでは、以下ネタバレ)

 今回は神戸君の人柄もよく出ていて、云わば神戸担当回。
 クールなように見えて(見せて?)案外ドジでお茶目な一面を持っていたり、頭のキレる警備局の元エリートでもあり、それでいて情を簡単に断ち切ることはできる人間でもなく。ミス・グリーンという老練の女性との関わりで、そんな神戸君の色々な顔が見えてくるわけです。とはいえ結局のところ犯人と警察。どんなに楽しくお茶をして、仲良く球根を植えたって、そこは捜査する側とされる側、両者の立場から最終的には決裂が待っているというのが少し悲しい。
 その決裂の場面。ミス・グリーンの家の玄関から凶器を発見したことでミス・グリーン=犯人が決定的となるのですが、そこで神戸君は一旦引くわけですよ。令状を持ってくるまでは動かないと言われて。説得するわけでもなく、淡白に受け止める。らしいっちゃ、らしいです。でも表面上はどうあれ、やっぱりミス・グリーンと過ごした時間は嘘にはできない、と。「楽しかった」という姿を消したミス・グリーンの残したメッセージを読んだ神戸君も、やはり同じことを思っていたんだと思います。

 そして訪れるクライマックス。
 射殺も余儀ないという状況でさも当然のように対象の方へと歩いていき、冷静に周囲を――それでいて瞬時に――観察して射撃部隊のいちばん邪魔になる場所に立って説得する神戸君。紡がれた短い言葉は、確かに交渉ではなく説得でした。
 
 薫ちゃんのように行動や言葉にストレートに感情を乗せてこない神戸君ですが、根っこのところは人情派なんですね。おばあさんとの不思議な絆を通して、キャラの掘り下げを行った今回は面白かったのは勿論ですが、太田愛さんらしい良い話でした。

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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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