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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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北山猛邦『ダンガンロンパ霧切(2)』

ダンガンロンパ霧切 2 (星海社FICTIONS)ダンガンロンパ霧切 2 (星海社FICTIONS)
北山 猛邦 小松崎 類

講談社 2013-11-29
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★★★★☆
それなら今度は私を守って。もしも何かあった時……結お姉さまが私を守るの。
結お姉さまにはできるわ

ノーマンズ・ホテルへようこそ。我々はお客さまのいかなる絶望にもお応えいたします。謎の組織、「犯罪被害者救済委員会」の次なる“黒の挑戦”は「探偵オークション」! 廃墟と化したホテルを舞台に繰り広げられる死亡遊戯の行方は――!? この窮地を霧切響子と五月雨結は切り抜けられるのか!?


「ダンガンロンパ霧切」第2作。
 テレビアニメにもなったゲーム『ダンガンロンパ』の霧切響子をフィーチャーしたノベライズシリーズの続編です。
 前作でその存在が明るみとなった犯罪被害者救済委員会を潰すため、語り部である結お姉さまと中学生の霧切ちゃんはダブルゼロクラスの探偵・七村彗星に付き従い、新たなゲームへと足を踏み入れます。
 導入編の印象が強かった前巻に対し、今作は本気も本気の大ボリューム。清涼院流水に矢野龍王と古野まほろを足して3で割ったかのような、メフィストの潮流を色濃く感じさせるミステリとなっていました。

 今巻では単純に犯人とトリックを暴いて終わりの前作とは異なり、廃墟と化したホテルに集められた人々の中からルールに則ってひとりずつ殺されていくといういわゆるデスゲームもの――サバイバルミステリの体裁がとられているのが大きな特色です。
 中でも軸となるのは「探偵オークション」と呼ばれる独自のシステムで、閉鎖空間における犯人探しに加え、主催者によって予め与えられた1億円を元手に身の安全と捜査権限が保証される《探偵権》の落札を懸けた駆け引きが招聘された探偵たちの動きを逐一阻害してくるため、よりゲーム性の高く手に汗握る展開を堪能できます。
 また、これらのコンゲーム的な要素と殺戮劇とが完全に不可分であり、騙し合いと密室殺人のふたつのトピックがひとつのトリックで結ばれている点にも注目でしょう。「探偵オークション」も密室殺人も、どちらを欠いても成立しない事件なのです。

 大仰な物理トリックが用いられるミステリにありがちな「なぜ犯人はわざわざそんな面倒なことをしたのか?」という効率性と合理性の問題を、犯罪被害者救済員会の存在を設定として敷くことで「そういうゲームだから」というこれ以上なくストレート且つ納得の解答を示し、まんまと解決してみせていることも評価したい。
 結お姉さまの愚直なまでの正義感と、その愚かしさをわかっていながらそれでも信じ抜く霧切ちゃんのコンビも大変愛おしく、例年本ミスはラノベに厳しいのでランクインできるかどうかは微妙なところではありますが、出来だけでいえば充分にベスト10を狙えるレベルです。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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2012年に読んだ小説の        ベスト5はこれ!!

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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