2009.10/25 [Sun]
ジェームズ・ルシーノ『スター・ウォーズ ミレニアム・ファルコン(上)』
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★★★★☆
――面白そう
グランパの前に<ファルコン>を持ってた人たちを見つけるの
キリックの脅威から数年後、シスの暗黒卿となったジェイセン・ソロ率いるコレリア連合と銀河同盟の対立は第二次銀河大戦へと突入したが、ジェイセンは双子の姉ジェイナに倒され、銀河の混乱も収束に向かっていた。その2年後、傷心のハン・ソロとレイアは息子ジェイセンの忘れ形見であるアラナを連れ、<ミレニアム・ファルコン>の歴史を辿る旅に出た。
時は遡り、クーロン大戦末期。パルパティーン議長誘拐事件のさなか、<ファルコン>はある使命を帯び、コルサントを飛び立っていた――。
『スター・ウォーズ』スピンオフ、邦訳最新作は実にEP4の43年後が舞台。時代はレガシー時代に突入し、未邦訳の「レガシー・オブ・フォース」のさらに先の時代の物語。
「ダーク・ネスト」三部作はおろか「ニュー・ジェダイ・オーダー」すらも未だに読了していない状態の自分にとっては、時代に取り残された感が若干拭えません。というか、銀河の大きな転換期である「レガシー」をすっ飛ばしているため、邦訳限定読者は多かれ少なかれ、同じような浦島感覚を味わっているのではないでしょうか。
しかし、今まで読んだSW小説の中ではいちばん平和な雰囲気で、政変も戦争も関係ない、純粋な冒険小説として楽しめます。
最初に次の邦訳作品が『ミレニアム・ファルコン』であるという報が流れたとき、正直またこのパターンか、と落胆しました。つまり、『ダース・ヴェイダー 光と影』や『オビ=ワン・ケノービの伝説』のような断片型の回顧小説なのかと。ですが蓋を開けてみると、確かに内容はミレニアム・ファルコンの追想ですが、あくまでもメインストーリーは孫にせがまれてファルコンの来歴を探る旅に出るソロ一家の物語であり、そこからファルコン100年の軌跡を浮かび上がらさせるという形式。単にファルコンの道すじを断片的にかいつまむのではなく、きちんとひとつの物語に纏め上げているところが良いです。
それにしても“100年の時を駆ける!”のキャッチコピーには震えます。人に歴史ありではないですけど、EP3のインヴィジブル・ハンド(グリーヴァス将軍の旗艦)のコルサント落下に乗じて、戦線下のコルサントに降り立つファルコン!アナキンとオビ=ワンがグリーヴァス将軍やドゥークー伯爵と戦っていたすぐ後ろに若き日の(?)ファルコンがいて、その時代の節目を見守っていたかと思うと――ロマン以外の何ものでもないですよ。
しかも一時とはいえ、プロ=クーンやクワイ=ガンとも関わりがあったり、いわゆる2000人の嘆願署名の中核でもあるファング・ザーより任された密命を帯びていたりと、その遍歴はまるでSW銀河の壮大な叙事詩の縮図。これだからSWはやめられない!
ハン・ソロとレイア夫妻、孫のアラナと3POが現在から過去のファルコンを探っていく一方で、ミレニアム・ファルコンの歩みを辿る者がもうひとり。62年の時を経て植物状態から回復した男――トーブ・ジャダック。クローン大戦の終わりに貨物船ステラー・エンヴォイのパイロットを務めていた男。パルパティーンに敵対する議員グループとの接触が見つかり、エンヴォイでコルサントを飛び立つ際にクローン兵から追われるもののか、ろうじて軌道から脱出。しかし船に致命傷を負い、ハイパースペースから出たところで巨大艦と衝突。相棒を失い、自身は長い植物状態に。
その彼が、自分が過去でやり残した仕事――ステラー・エンヴォイと、その船に隠された共和国再建への“宝”をある人物に届けるという任務を果たすため、60年前に事故に遭ったエンヴォイを探そうとする。
このステラー・エンヴォイこそが現在のハン・ソロの愛機ミレニアム・ファルコンであり、本作は“過去”から“未来”のファルコンを辿る男と、“未来”から“過去”のファルコンを辿る男が対比して描かれるわけです。同時並行で描かれるふたつの旅路がいつ交わるのか、これがまた面白い。そのふたつが出逢ったとき、どうなるかは下巻待ちですけど。
他作とのリンクとしては著者のジェームズ・ルシーノがEP3の序章ともいえる作品『悪の迷宮』も書いていたので、旧共和国時代のシーンでジェダイがダース・シディアスのアジトを探っていた旨などがセリフで語られます(恐怖の昆虫種族コリコイドも『悪の迷宮』に登場)
それはそうと、アラナ可愛い。
アラナ>アソーカ>マラ・ジェイド>>>超えられない壁>>>レイア
これで決まりだ!!
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