2014.04/10 [Thu]
映画『プリキュアオールスターズ NewStage2 こころのともだち』
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★★★☆☆
ぼくはひとりぼっちじゃなかった。グレルがいてくれて嬉しかった。
ぼくはキュアハッピーみたいに笑いたい! グレルがいなくなったら、ぼくは笑えないよっ!
ある日、妖精学校からプリキュアたちのところに“プリキュアパーティ”の招待状が届く。大喜びでパーティ会場へ向かったプリキュアたちは、そこで泣き虫のエンエンと自分勝手なグレルという2人の妖精学校の生徒に出会う。そしてもう1人、グレルにそっくりな怪しい影も……。しかも、その影にプリキュアたちの変身アイテムが盗まれてしまう。変身できない大ピンチ。このままでは、学校も妖精たちもすべて影に飲みこまれてしまう。みんなを守るために、32人のプリキュアが立ち上がる! (2013年 日本)
「プリキュアオールスターズ NewStage」第2作。
どうも。更新さぼりまくりな はろーすみすです。『プリキュアオールスターズ NewStage3』の感想を書く前に、まずはこちらもレビューしておかないわけにはいかないでしょう。
「オールスターズ」シリーズ5作目となる今作も前作同様、ちょっとしたボタンの掛け違いで過ちを犯してしまった者、悩みを抱えあと一歩が踏み出せないでいる子たちを、プリキュアがそっと後押してあげる物語です。
今回の主役はプリキュアについて学ぶ養成学校の生徒、グレンとエンエン。ちょっと乱暴なところがあり、みんなに認めて貰いたいガキ大将気質のグレンと、内気で思ったことを上手に口にできないメカクレ妖精のエンエンのふたりが自分たちの引き起こしてしまった大事件を通して、自らの弱さと向き合い、乗り越え、真実のともだちとなってゆく過程が丁寧に描かれます。
プリキュアも代を重ね、その数を増やしていったことが原因か、いつの間にやら妖精界の学校にプリキュア教科書なる教材が採用され、われらがタルトが特別講師に招かれ歴代プリキュアについて講義する都合もあって、「プリキュア」映画中最もメタ志向の強い作品となっているのは好悪分かれるところです。ビートやパッションがもともとはプリキュアの敵だったことに触れ、それでもプリキュアは彼女たちとわかり合うことができた、勇気を持って心を決めれば過ちはいつだって、どこからだって正せるんだ――という主張は作品テーマを如実に表した部分ではありますが、あまりにもメタメタしさが透けて見え、物語に没入するよりも早く第三者的な俯瞰した視点に持っていかれてしまうので、観客の目をそこで一旦冷めさせてしまう恐れもあるのです。お話の中で自然とそれを感じさせるようなつくりであればまた違ったのですけれど、本作においてはただの設定語りにも思え、作り物っぽさがより強調される結果となってしまいました。
声優キャストを用意できたキャラクターに喋らせただけに見える点もマイナスです。今回は『MH』陣も声付きで参戦し、前作に比べると幾分違和感は緩和されたとはいえ、それでもやはり制作側の都合が見え隠れするキャラクターチョイスは不自然さを感じます。
新人プリキュアがぶち当たる大きな試練であり、また前年のプリキュアチームの成長具合が見てとれるのも「オールスターズ」の醍醐味ですが、さすがはスマイルとドキプリの皆さん。スマイルチームは前年とさほど変わらない安定の五プリキュアっぷりを発揮し、ハイスペック集団のドキプリメンバーはまだまだ新人のハズなのに、下手をすると先輩以上の風格を漂わせています。
このあたりが良くも悪くもそれぞれの作風の差と言いますか。つい最近、ようやく『スマイル』と『ドキドキ!』の両シリーズを制覇し、ようやっと観る態勢が整ったのでこの『NewStage2』に手を出したのですが、スマイル勢は最初から最後まで個々の関係性、パーソナリティが安定しすぎて1年を通しての成長があまり感じられないんですよね。たとえば中盤のキャンディ救出への決意だったり、やよいの名前の由来の話だったり、そうした要所要所のお話は凄く良くできていて、それこそ自分の中では歴代シリーズ全作全話中ベスト10に入っても良いエピソードだと思っているのですが、如何せん縦軸の弱さが否めない。
みゆきは最初からみゆきだし、あかねもなおもそれぞれ序盤からそう大きくは変わらない。終盤になって成長したな、と感じたのはれいかとやよいくらいです。
そのため『オールスターズDX』で守られる側だったフレッシュ勢が『DX2』でハトキャのふたりを助けたり、あんなに絶望に震えていたつぼみとえりかが『DX3』では立派に先輩していたり、前年は弱音ばかりだったスイートふたりが『NS』で貫禄を見せたりというキャラクターの変化を楽しむということが、こと本作『NS2』のスマイルチームにおいてはあまりできません。いつもどおりのスマイルメンバーはそりゃあ可愛いですよ。キャラデザでは冗談抜きに歴代最嬌ですし、それぞれ性格も可愛らしいです。でも、可愛いだけじゃないのがガールズの約束だと思うわけですよ。
おそるおそるなピースに対するまこぴーのクールさは絡みとしては面白いし、お気に入りのシーンのひとつでもありますが、これを観ていると果たしてこの娘たちは本当にこれで良いのだろうか、と思ってしまうわけですよ。いや、ピースサンダーをいつもの「ひゃあ!」にならずに踏ん張ってるあたりに、やよいの頑張りが見えて微笑ましいのですけれど。
導き手としてのドキプリ4人が優秀すぎて、スマイルチームは煽りを食っちゃってちょっと損な役回りになっちゃったかなぁ、と。
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