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映画『黒執事』

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★★★☆☆
巨大企業の若き総帥にして、女王の密命を帯びる名門貴族の末裔である幻蜂清玄伯爵は、過去の壮絶な傷を抱え、わけあって女であることを隠して生きる男装の令嬢だ。執事のセバスチャンとは絶対的な主従関係にあるが、その関係は主の魂で契約された究極のものだった。そんな中、街で“連続ミイラ化怪死事件”が頻発。警察保安省外事局局長・猫磨実篤は、部下の鴇沢一三、松宮高明に捜査命令を下す。やがて鴇沢は、幻蜂伯爵とその執事が事件の周辺にいることに気づき、疑いの目を向け始める……。 (2013年 日本)


 公開はもう終了してしまったかな。少し前に実写映画版『黒執事』を観に行きました。
 というのも『ゼロ・グラビティ』鑑賞時にやっていた予告編があまりにも面白そうで、アニメ作品の実写ものは地雷だと思いつつも、どうしても観てみたくなったのです。
 ちなみにマンガは未読、アニメは未視聴。基本的な設定はおろか原作では誰が主人公でどんなお話なのかすらも把握せず、完全にすっからかんの状態で鑑賞しました。わかっているのは原作が腐女子向けということくらいです。

 もともと19世紀イギリスが舞台の作品であり、キャストに日本人を多く起用する都合から国境問わずの近未来的世界観を導入するという、どう考えてもファンの顰蹙を買うだろう変更が行われているこの実写版。原作の百数十年後なる殆ど別物ともいえる設定ながら、肝心のヴィジュアル部分に関してはこの目論見は意外と成功していて、およそ現代日本ではあり得ないような西洋風のお屋敷と超高層ビルの同居、外国人が夜な夜なカジノに繰り出し、秘密のパーティーが開かれる――。それらの国籍無視なシチュエーションの中に上手に日本人が溶け込んでおり、近未来っぽさはかなり表現できています。何気に邦画でここまでハリウッドライクな世界観を醸している実写作品は少ないんじゃなかろうか。
 地雷映画と侮ることなかれ。水嶋ヒロを始めとした出演者のアクションもカッコ良く、製作陣の頑張りが伝わってきます。

 だからこそもう少し上のレベルを目指せたと感じるのもまた事実で、前半の事件調査がところどころブツ切りに思えるわりにクライマックスの真犯人との対峙シーンはダレるほどに長く、両者のバランスが噛み合っていなかったのが一点。その昔、ぼっちゃんとセバスチャンがどういう形で契約を交わし、それが現在のふたりの関係にどのような影響を及ぼしているのかが最後まで映像として明示されなかったため、結局のところセバスチャンって何なのさ?と観客を置いてきぼりにしてしまっている点が悪いところです。
 剛力ちゃんの美少年役も思いっきり女の子にしか見えなかったけれど、ハナから男装設定なのでさほど気にならず。むしろ、声を少し低くして健気な女の子がせいいっぱい男の子を演じているふうで、それはそれでストーリーと合っています。
 むしろダメだったのは山本美月です。ガンアクションでは魅せてくれましたが、普段のドジっ子演技がいかにも「ドジっ子を演じてます」的なぎこちなさで終始わざとらしすぎる。もっとナチュラルに動いてみせないとギャグにもならないって……。

 期待以上とはいかないまでもそれなりに及第点。取り立てて原作に思い入れがないのであれば、レンタルショップで借りてきても充分後悔しないレベルで楽しめる作品ではないでしょうか。うん、悪くなかったです。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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